世界最古・つぼ型電池 「バグダッド電池」
イラクの首都バグダッド郊外(こうがい)のホイヤットラブヤ遺跡から発掘された「つぼ型電池」。約2,000年以上前のもので、電気をおこすため(電池)ではなく、金銀のメッキのために使われていたものと考えられています。電圧は1.5~2ボルト、電解液が何でできているのかは、はっきりとわかっていませんが、酢やブドウ酒などが使われたものと想像されます。
1780年、イタリアの生物学者ガルバーニという人が、カエルの足の神経に2種類の金属をふれさせると電流が流れ、足の筋肉がピクピク動くのを発見しました。これが電池の原理の始まりといわれています。
銅と亜鉛を電解液となる希硫酸や食塩水などに入れると、銅は原子がほとんど溶けず反対に亜鉛は原子が溶け出して電子が出ます。 そのため銅は(+)極に亜鉛は(-)極となり、この2つを導線でつなぐと銅から亜鉛に電気が流れる。これが現在の化学電池の原型、ボルタ電池です。発明したのは、イタリア人のボルタという人。だから「ボルタ電池」と呼ばれています。1800年のことです。
さらに1868年、フランス人のルクランシェという人が「ルクランシェ電池」を発明しました。これは現在の乾電池の母体となるものでしたが、塩化アンモニウム溶液がこぼれたりして不便なところがありました。 ボルタ電池で使われていた液体をゲル状にしたものが、現在の乾電池の原形となった「ルクランシェ電池」です。
1888年、ドイツ人ガスナーは、液がこぼれない電池を発明しました。水分はあってもこぼれないことから、ガスナーの発明は「乾いた電池」(=乾電池)と呼ばれています。その3年前の1885年、日本人の屋井先蔵という人も独自に乾電池を作っています。
1899年、スウェーデンの技術者ウォルデマール・ユングナーがニッケルカドミウム電池を発明しました。これは、現在の蓄電池の原点として画期的な電池でした。
1900年、フィラメントランプを商品化したことでも知られる偉大な発明家トーマス・エジソンがニッケル鉄蓄電池を発明しました。これは、エジソン電池と呼ばれています。