循環型社会の実現
循環型社会の実現
方針
地球上の限りある資源を持続可能な形で利用し次の世代に手渡していくことは、事業に多くの天然資源を利用する当社にとって欠くことのできない取り組みだと捉えています。当社は、今日生まれた子供たちの未来のために、「再資源化の拡大」により新規の天然資源の消費を抑え、「廃棄物の抑制」により環境への負荷を低減しています。加えて材料の生産や製品の廃棄などに係るCO2排出量削減の観点からも、これらの取り組みを 「脱炭素化の実現」と一体で前進させていきます。

一次電池と二次電池の垣根を超えて資源循環を実現する「やるしかサーキュラー構想」イメージ図
方針
地球上の限りある資源を持続可能な形で利用し次の世代に手渡していくことは、事業に多くの天然資源を利用する当社にとって欠くことのできない取り組みだと捉えています。当社は、今日生まれた子供たちの未来のために、「再資源化の拡大」により新規の天然資源の消費を抑え、「廃棄物の抑制」により環境への負荷を低減しています。加えて材料の生産や製品の廃棄などに係るCO2排出量削減の観点からも、これらの取り組みを 「脱炭素化の実現」と一体で前進させていきます。

一次電池と二次電池の垣根を超えて資源循環を実現する「やるしかサーキュラー構想」イメージ図
サーキュラーエコノミーの取り組み
共創パートナー様との活動
電池生産に関し、新たに作られた材料ではなく再生材を使うことで天然資源の消費を抑制できるとともに、CO2排出量の削減にもつながることから、これまで当社では再生PETなど、樹脂を中心に再生材を活用してきました。循環型社会の実現とCO2排出量削減に向けて、電極材料などへも再生材利用の幅を広げ、取り組みを加速しています。
2022年度は、米国の電池リサイクル企業であるレッドウッド・マテリアルズ社とEV用リチウムイオン電池のリサイクル正極材および銅箔について売買契約を締結しました。この契約に基づき、工程廃材や使用済み電池を正極材料や電池用銅箔等のリチウムイオン電池用材料へとリサイクルする体制を構築し、当社北米工場から排出される廃材由来のリサイクル正極材はカンザス州の新工場で、リサイクル銅箔はネバダ州の工場で順次使用開始する予定です。この取り組みは、現地調達率向上による物流過程および資源採掘時のCO2排出量の削減にもつながります。
米国以外でも、正極材料のコバルト・ニッケル・リチウムについて、材料購入先様とマテリアルリサイクル*¹した原料の使用に関して検証を行い、順次一部製品において再生材を含有した正極材料の使用を開始します。また、当社の工程廃材や使用済みリチウムイオン電池から生成したブラックマス*²を正極材料として再び当社で利用するリサイクルスキームを構築し、2024年より電池材料への活用を順次開始しています。
*1 : 廃棄物を製品の材料もしくは原料として再び使用すること
*2 : バッテリーを熱処理して得られる、コバルト・ニッケル・リチウムなどを含む黒色の粉体

ステークホルダーとの協働による電池のリサイクルスキーム構築
1.二次電池に関する取り組み
二次電池については、資源の有効利用や環境汚染防止などを目的に世界各国でリサイクルの法制度や仕組みの整備が行われております。日本においては、当社の前身である松下電池工業や三洋電機等が中心となって設立したリサイクル促進団体の一般社団法人JBRCの会員として、全国の協力店、協力自治体、協力事業者等から排出された二次電池を回収・再資源化するリサイクル活動に取り組むことにより、2023年度は業界全体で1,700トン(内約50%が当社生産品)の二次電池が回収・リサイクルされました。このほか、北米において他の電池メーカーと協働しCall2Recycleプログラムを立ち上げ、米国およびカナダで二次電池のリサイクルプログラムを提供するなど、国ごとのリサイクルインフラの実情に即した最も効率的な仕組みづくりに貢献しています。
2.乾電池の「使い捨て」脱却に向けた取り組み
繰り返し使用できない一次電池である乾電池については、乾電池回収の実証実験と再資源化に向けた取り組みを進めています。
電池の回収体制が未整備のタイにおいて、2022年度よりコンビニエンスストアを運営するCP ALL社と協力し、31店舗で廃乾電池を回収・再資源化する実証試験を開始しました。この取り組みは2024年度に1,000店舗まで拡大しています。また、日本においても2023年度よりイオンリテール社、東京製鐵社と連携して同様の実証試験を開始しています。回収した乾電池の再資源化に向けては、2023年6月から日本で、2024年3月からタイで鉄鋼材料としてのリサイクルを開始しています。
今後も、タイ・日本において回収地域の拡大や本格運用を進めるとともに、得られたノウハウをその他の地域にも展開していきます。また、再資源化については、将来的な乾電池部材への活用を見据えた研究開発を進め、「電池から電池」へのリサイクル実現を目指しています。
日本での乾電池回収モデル

プラスチック使用量削減の取り組み
プラスチックは、現代社会で必要不可欠な素材である一方、気候変動への影響や廃棄物としての課題があり、プラスチックの使用量削減と資源循環の取り組みを進めています。
取り組みの一つにエシカル消費(商品やサービスの機能的価値だけでなく、倫理的な価値を意識した消費活動)の志向に訴求する商品として、包装材の削減と脱プラスチックに配慮した「エシカルパッケージ」の乾電池を2021年度に日本国内で、2022年度にはタイにて販売を開始しました。このエシカルパッケージの導入により、プラスチックを含む包装材使用量を従来品と比較して38~59%削減するとともに、包装材の原料入手・製造・使用・廃棄のライフサイクルでの総CO2排出量削減にも貢献しています。
2023年からは充電式ニッケル水素電池「エネループ」やコイン電池*3 にもエシカルパッケージを採用するなど、ラインアップを拡大するとともに、アジア太平洋地域をはじめとしてグローバルに展開しました。
また、2023年9月、ジャパンスター賞「経済産業大臣賞」を受賞しました。
*3 : 一部通販サイトのみで販売
エンシカルパッケージ採用商品

また、廃棄物量の低減やCO2排出量削減など、環境への配慮が高まっており、顧客から再生樹脂のさらなる使用要請がありました。
そのため、一部機種に関し、電池パック外装ケースにおける再生樹脂の使用比率を、以前の25%からさらなる環境負荷低減を目指し、50%まで引き上げを行いました。これにより、プラスチック製造に必要なエネルギーの削減や廃棄予定のプラスチックのリサイクルに貢献しています。なお、再生樹脂の使用に伴っては、強度や耐熱などの機械的特性が低下するため、リスク検証を重ね、導入を行いました。
今後、再生樹脂の使用拡大などを通じて、環境配慮に貢献していきます。
サーキュラーエコノミーの取り組み
共創パートナー様との活動
電池生産に関し、新たに作られた材料ではなく再生材を使うことで天然資源の消費を抑制できるとともに、CO2排出量の削減にもつながることから、これまで当社では再生PETなど、樹脂を中心に再生材を活用してきました。循環型社会の実現とCO2排出量削減に向けて、電極材料などへも再生材利用の幅を広げ、取り組みを加速しています。
2022年度は、米国の電池リサイクル企業であるレッドウッド・マテリアルズ社とEV用リチウムイオン電池のリサイクル正極材および銅箔について売買契約を締結しました。この契約に基づき、工程廃材や使用済み電池を正極材料や電池用銅箔等のリチウムイオン電池用材料へとリサイクルする体制を構築し、当社北米工場から排出される廃材由来のリサイクル正極材はカンザス州の新工場で、リサイクル銅箔はネバダ州の工場で順次使用開始する予定です。この取り組みは、現地調達率向上による物流過程および資源採掘時のCO2排出量の削減にもつながります。
米国以外でも、正極材料のコバルト・ニッケル・リチウムについて、材料購入先様とマテリアルリサイクル*¹した原料の使用に関して検証を行い、順次一部製品において再生材を含有した正極材料の使用を開始します。また、当社の工程廃材や使用済みリチウムイオン電池から生成したブラックマス*²を正極材料として再び当社で利用するリサイクルスキームを構築し、2024年より電池材料への活用を順次開始しています。
*1 : 廃棄物を製品の材料もしくは原料として再び使用すること
*2 : バッテリーを熱処理して得られる、コバルト・ニッケル・リチウムなどを含む黒色の粉体

ステークホルダーとの協働による電池のリサイクルスキーム構築
1.二次電池に関する取り組み
二次電池については、資源の有効利用や環境汚染防止などを目的に世界各国でリサイクルの法制度や仕組みの整備が行われております。日本においては、当社の前身である松下電池工業や三洋電機等が中心となって設立したリサイクル促進団体の一般社団法人JBRCの会員として、全国の協力店、協力自治体、協力事業者等から排出された二次電池を回収・再資源化するリサイクル活動に取り組むことにより、2023年度は業界全体で1,700トン(内約50%が当社生産品)の二次電池が回収・リサイクルされました。このほか、北米において他の電池メーカーと協働しCall2Recycleプログラムを立ち上げ、米国およびカナダで二次電池のリサイクルプログラムを提供するなど、国ごとのリサイクルインフラの実情に即した最も効率的な仕組みづくりに貢献しています。
2.乾電池の「使い捨て」脱却に向けた取り組み
繰り返し使用できない一次電池である乾電池については、乾電池回収の実証実験と再資源化に向けた取り組みを進めています。
電池の回収体制が未整備のタイにおいて、2022年度よりコンビニエンスストアを運営するCP ALL社と協力し、31店舗で廃乾電池を回収・再資源化する実証試験を開始しました。この取り組みは2024年度に1,000店舗まで拡大しています。また、日本においても2023年度よりイオンリテール社、東京製鐵社と連携して同様の実証試験を開始しています。回収した乾電池の再資源化に向けては、2023年6月から日本で、2024年3月からタイで鉄鋼材料としてのリサイクルを開始しています。
今後も、タイ・日本において回収地域の拡大や本格運用を進めるとともに、得られたノウハウをその他の地域にも展開していきます。また、再資源化については、将来的な乾電池部材への活用を見据えた研究開発を進め、「電池から電池」へのリサイクル実現を目指しています。
日本での乾電池回収モデル

プラスチック使用量削減の取り組み
プラスチックは、現代社会で必要不可欠な素材である一方、気候変動への影響や廃棄物としての課題があり、プラスチックの使用量削減と資源循環の取り組みを進めています。
取り組みの一つにエシカル消費(商品やサービスの機能的価値だけでなく、倫理的な価値を意識した消費活動)の志向に訴求する商品として、包装材の削減と脱プラスチックに配慮した「エシカルパッケージ」の乾電池を2021年度に日本国内で、2022年度にはタイにて販売を開始しました。このエシカルパッケージの導入により、プラスチックを含む包装材使用量を従来品と比較して38~59%削減するとともに、包装材の原料入手・製造・使用・廃棄のライフサイクルでの総CO2排出量削減にも貢献しています。
2023年からは充電式ニッケル水素電池「エネループ」やコイン電池*3 にもエシカルパッケージを採用するなど、ラインアップを拡大するとともに、アジア太平洋地域をはじめとしてグローバルに展開しました。
また、2023年9月、ジャパンスター賞「経済産業大臣賞」を受賞しました。
*3 : 一部通販サイトのみで販売
エンシカルパッケージ採用商品

また、廃棄物量の低減やCO2排出量削減など、環境への配慮が高まっており、顧客から再生樹脂のさらなる使用要請がありました。
そのため、一部機種に関し、電池パック外装ケースにおける再生樹脂の使用比率を、以前の25%からさらなる環境負荷低減を目指し、50%まで引き上げを行いました。これにより、プラスチック製造に必要なエネルギーの削減や廃棄予定のプラスチックのリサイクルに貢献しています。なお、再生樹脂の使用に伴っては、強度や耐熱などの機械的特性が低下するため、リスク検証を重ね、導入を行いました。
今後、再生樹脂の使用拡大などを通じて、環境配慮に貢献していきます。
廃棄物抑制の取り組み
工場からの廃棄物削減
当社は、工場からの廃棄物の排出量を削減し、有価物や再資源化量を増やすことで最終処分量(最終処分場への埋立量)を限りなくゼロにしていく活動を継続的に行っています。工場リサイクル率(=再資源化量÷(再資源化量+最終処分量))をKPIと定め、99%以上とすることを目標としており、2023年度の工場リサイクル率はグローバルで97.6%に達しています。
廃棄物抑制の取り組み
工場からの廃棄物削減
当社は、工場からの廃棄物の排出量を削減し、有価物や再資源化量を増やすことで最終処分量(最終処分場への埋立量)を限りなくゼロにしていく活動を継続的に行っています。工場リサイクル率(=再資源化量÷(再資源化量+最終処分量))をKPIと定め、99%以上とすることを目標としており、2023年度の工場リサイクル率はグローバルで97.6%に達しています。