テレワーク

テレワークでのコミュニケーションが不足する理由とは?おすすめの解決策も解説

公開日:2023 / 7 / 26更新日:2024 / 5 / 14

新型コロナウイルス感染症の対策として多くの企業が導入したテレワークは、現在では新たな働き方のひとつとして定着しつつあります。その一方で、感染症が落ち着いたことにより、テレワークからオフィスワークへ戻す企業も少なくありません。その理由として考えられるのが、テレワークによるコミュニケーション不足や労務管理の難しさです。

そこで今回は、テレワークのメリットを生かしつつ、コミュニケーション不足解消や労務管理の効率化を果たす方法とそのポイントについてお伝えします。企業、社員双方にメリットのあるテレワークの実現にお悩みの人事労務担当者の方はぜひ、参考にしてください。

テレワークでコミュニケーションが不足してしまう理由

テレワークでコミュニケーションが不足してしまう理由はいくつか考えられますが、なかでも主な理由として挙げられるのは以下のとおりです。

  • 対面でのコミュニケーションがとれない
    言語によるコミュニケーションだけではなく、身ぶり手ぶりも交えた非言語コミュニケーションも重要です。テレワークでは対面によるコミュニケーションがとりにくいことから視覚的要素が減り、非言語コミュニケーションが不足します。
  • 雑談機会が減少している
    オフィスワークの場合は、周囲の同僚と業務以外の雑談も気軽にできるため、コミュニケーションをとりやすい環境です。しかし、テレワークは基本的にひとりで勤務する環境であるため、どうしても業務以外のコミュニケーションが減り、結果として全体のコミュニケーションも減ってしまいます。
  • 相手の状況がわからない
    オフィスワークの場合、相手がいま何をしているかが視覚的にわかりますが、テレワークでは相手の状況が見えないため、コミュニケーションをとるタイミングを計ることが困難です。その結果、そのまま会話がなくなってしまいます。
  • コミュニケーションツールを使いこなせない
    ツールの選択や使用方法に問題があり、適切な使い方ができずにコミュニケーションの質や頻度が落ちてしまうケースも少なくありません。

テレワークのコミュニケーション不足を解消するメリット

テレワークでは、さまざまな理由でコミュニケーションが不足してしまいがちです。しかし、この問題を解消すれば、テレワークには次のようなメリットが期待できます。

  • 生産性が向上する
    コミュニケーションが円滑になれば、通勤時間や移動時間もなく業務に集中できるテレワークでは、オフィスワークよりも生産性が向上する可能性が高まります。また、新入社員や若手社員が気軽に上司や先輩に相談できる環境を整えれば、テレワークによる孤立感を抑えられ、メンタル面のケアにもつながります。心身ともに健康であれば、業務へのモチベーションも向上し、高いパフォーマンスにも期待できるでしょう。
  • 社員満足度向上につながる
    テレワークは育児や介護をしている社員にとって欠かせない働き方のひとつです。しかし、コミュニケーション不足が理由で企業がテレワークからオフィスワークに戻す選択をすれば、働けない社員が出てきてしまいます。テレワークでのコミュニケーション不足問題を解決できれば、企業は今後もテレワークを継続するでしょう。そうすれば、社員が勤務形態を理由に退職する必要がなくなります。
  • 適切な労務管理が可能になる
    テレワークには労務管理が困難という課題があります。オフィスワークでは目視による在席確認ができますが、テレワークでは、社員がいつ働いて、いつ休憩をとっているのかがわかりません。しかし、コミュニケーションをしっかりとるようにすれば、いつ働いているか在席確認の代わりになります。その結果、適切な労働時間管理が可能になるでしょう。

テレワーク時のコミュニケーション不足を解消する方法とそのポイント

テレワークでのコミュニケーション不足を解消するための具体的な方法と、実施のポイントについて解説します。

  • コミュニケーションツールの活用を促す

    EメールやWeb会議システムのほか、チャットツールやグループウエア、社内wikiなど、コミュニケーション不足を解消するためにツールを導入している企業もあるでしょう。ただし、やみくもにツールを増やしすぎても、誰にも使われず導入コストだけがかかってしまうリスクがあります。メインのほかサブで2種類程度が適当です。

    上司から率先してツールを使い、社内に活用を促します。チャットツールやグループウエア、バーチャルオフィスで雑談専用のチャンネルや掲示板、部屋を作成し、上司から話を振れば部下も気軽に使うようになるからです。

  • また、それぞれのツールを適切に扱えるよう、講習会を実施することも重要です。ツールの使い方がわからないのでコミュニケーションが取りづらいといったことのないようにしましょう。

  • コミュニケーションツールの使い方を検討する
    例えば、Web会議ツールをつないだままでバーチャルオフィスの状態を構築すれば、コミュニケーションラグが防げます。また、週に2~3回、テーマを決めて5~10分程度、オフィスと自宅にいる社員がマンツーマンで意見を交わし合う時間をつくるのもよいでしょう。コミュニケーションツールを積極的に使うアイデアを出し合い、コミュニケーション不足を解消できる方法を検討します。
  • コミュニケーションのルールを策定する
    テレワークの場合、対面でのコミュニケーションに比べ、メッセージが伝わっているのか、疑問に思っていることはないかなどの確認が困難です。また、文字でのやりとりが主となるため、会話形式に比べ文字の入力など無駄な手間が増えるのも解消すべき課題といえます。

    そこで重要となるのが、コミュニケーションを円滑にするためのルール策定です。具体的には次のようなルールが考えられます。

    1. 上下関係をなくし、「ご多用のところ申し訳ございません」「お手数をおかけしますがよろしくお願いします」といったあいさつ文は省く。
    2. 「相手が忙しいのではないか」、「不在ではないか」などと考えず、積極的に質問する。
    3. 忙しいときやどうしても返信が難しいときは、絵文字やリアクションマークなどを使い、閲覧していることだけは伝えるようにする。
    4. 電話や口頭で話した内容も、あとで簡単にまとめてチャットやグループウエアに投稿して全員で共有する。できるだけDM(ダイレクトメッセージ)は使わないようにする。
  • 定期的なミーティングや会議を実施する

    定期的にWeb会議を実施し、社員の状況を確認しましょう。可能であれば月1回程度、対面でのミーティングを行い、現在の問題点や不満などについてのヒアリングをするとより効果的です。

    また、ハイブリッドワークの導入や、月に2~3回程度の強制出社日をつくってランチ会を実施するのもよいでしょう。

  • オンラインでの社内イベントを実施する
    オンラインでの社内イベントを開催し、業務以外でのコミュニケーション機会を増やすのもおすすめです。例えば、最近読んだ本の紹介、部署別対抗でタイピングの速度を競う大会などが考えられます。
  • 社内報を作成する
    テレワークで働いていると、オフィス内でのできごとや社内のニュースに疎くなってしまい、それがコミュニケーション不足につながるケースも少なくありません。社内報を作成し、社内情報を全社員で共有できるようにすると、テレワークでも情報格差を感じにくくなるでしょう。
  • オフィスにいる社員とテレワークをしている社員でのチーム制導入

    テレワークの導入で難しくなるのが、新入社員や若手層が上司に気軽に相談しにくくなってしまう点です。対面によるコミュニケーション機会が減ることで人材育成が困難になり、社員がより孤立を感じてしまうおそれがあります。

    そこで、オフィスにいる社員とテレワーク社員がチームを組んで業務を行う体制を整備するのもよい方法でしょう。これにより、チームで頻繁にコミュニケーションをとる必要が生じ、コミュニケーション不足解消につながるうえ、人材育成強化も可能です。

  • 適切な労務管理を行う

    テレワークでは、通勤や移動がないため業務に集中できますが、逆に集中しすぎてストレスがたまることがあります。また、仕事とプライベートの境目がなくなりやすく、残業時間が増大してしまいがちです。

    ストレスや過労がたまると、積極的に人と話そうという気持ちも起きにくくなり、コミュニケーション不足になるケースも少なくありません。そのため、適切に労務管理が行えるツールを導入し、強制的にでも仕事とプライベートの区切りをつける工夫が必要です。

テレワークでのコミュニケーションが不足する原因と対策を理解しよう

テレワーク社員とのコミュニケーションは、文字による言語コミュニケーションが中心となり、対面時のような非言語コミュニケーションが困難です。その結果、コミュニケーションが不足して、場合によっては業務に支障が生じるようなミスにつながってしまうリスクも高まります。

多様な働き方の実現に欠かせないテレワークですが、コミュニケーション不足問題が理由でオフィスワークに戻さざるをえなくなれば、企業・社員双方にとって大きなマイナスです。また、テレワークを継続する場合でも、コミュニケーション不足のままでは、労働時間の把握も難しくなり、適切な労務管理もできなくなってしまうでしょう。

テレワークでのコミュニケーション問題を解決するために重要なポイントは、コミュニケーション不足を解消するツールや活用方法を検討すると同時に、適切な労務管理を徹底させることです。テレワーク社員の労働時間を適切に管理できれば、働きすぎも解消され、コミュニケーション不足の解消にもつながります。

そこでおすすめしたいのが、テレワーク社員の労務管理を行うツール、パナソニックの「Chronowis」です。「Chronowis」は、勤怠管理システムと連携して時間外のパソコン利用を制限し、長時間労働抑止を実現します。テレワーク社員とのコミュニケーション不足や労務管理にお悩みの際は、ぜひ、お気軽にご相談ください。

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