テレワーク
在宅勤務で長時間労働が常態化
生産性を上げるベストな解決方法は?
公開日:2023 / 5 / 31更新日:2024 / 5 / 14
新型コロナウイルスの流行が契機となって、在宅勤務を導入する企業が大幅に増えました。しかし、在宅勤務を導入したことで、従業員とのコミュニケーション不足や残業時間の増加にお悩みの会社も多いのではないでしょうか。そうした場合は業務時間を可視化することで無駄な業務を抑制でき、結果として在宅勤務の生産性が上がります。今回は、在宅勤務の生産性を上げるための方法を見ていきましょう。
在宅勤務での生産性の現状
一般社団法人 日本経済団体連合会が作成した報告書「エンゲージメントと労働生産性の向上に資するテレワークの活用(2022年4月12日)」では、「対面前提のマネジメントを行ってきた多くの企業では、職場の暗黙知や社員同士の“あうんの呼吸”によって業務を遂行してきた面があり、テレワークでコミュニケーションが不足し生産性を低下させている可能性がある」と指摘しています。
在宅勤務で生産性が下がる理由
在宅勤務で生産性が下がる理由には、主に以下の5つが挙げられます。
仕事をする環境が整っていない
PC機器やスムーズなWi-Fi環境など、職場と同様の仕事環境が整っていないケースがあります。こうした場合、職場での作業に比べて在宅勤務の生産性が下がってしまう傾向にあります。また、電子化が進んでおらず紙ベースで業務を進めている業界や職場では、在宅勤務での生産性は著しく低下してしまいます。
コミュニケーションが減る
職場ではデスクの周りに上司や同僚がいます。そのため、仕事を進めるにあたって疑問が生じたときはすぐに聞けます。また、何かトラブルが発生したときでも、すぐに上司に相談して判断を仰ぎ、スムーズにトラブル対応することが可能です。
しかし、在宅勤務では、主にチャットや電話、オンライン会議を通じての会話であるため、少し疑問が生じた程度では質問しにくい空気があります。上司の表情が分からないのも、ひとつの要因と考えられます。また、在宅勤務が増加すると、雑談も含めたコミュニケーションが全体的に不足する結果となってしまいます。雑談は一見無駄に見えても、働く人にとって安らげるひとときであり、メンタル面でも良い影響を与えてくれるものですが、在宅勤務では大幅に減少してしまいます。
メリハリをつけて働けない
自宅には誘惑が多すぎます。代表的なのはテレビ、スマホ、まんが、そして眠気です。上司や同僚の目がないので、少しでも気を抜くとつい別のことをしてしまう方も多いのではないでしょうか。在宅勤務ではオン・オフの切り替えが難しく、メリハリをつけて働けないために、結果的に業務時間が長くなることがあります。
業務を可視化できない
職場での勤務であれば、今誰が何をしているかを把握しやすいものです。しかし、在宅勤務ではそれらが一切見えません。そのため各人の現在の稼働状況を把握できていない企業が多いうえ、お互いが何をしているのかが見えないため、各人が重複した作業をしたり、連携の質やスピードが落ちたりするなどして、業務の生産性が低下してしまいます。
また、職場での勤務であれば上司が部下の頑張りを把握できるのですが、在宅勤務では業務を可視化していなければ上司が部下の業務プロセスを把握できず、部下が自分の頑張りが認められていないと不満を抱き、メンタル面でも不安になりがちです。
長時間労働になりがち
以上に挙げた理由が複合的に重なり、結果として在宅勤務では職場勤務に比べて長時間労働となってしまう傾向にあります。
在宅勤務での長時間労働を放置していると
テレワークに関する調査2020(連合調べ)によれば、「在宅勤務によって通常の勤務よりも長時間労働になることがあった」と回答した人の割合が51.5%にも上っています。こうした状況を放置すると、どういったリスクがあるのでしょうか。
法律違反
2019年の労働基準法の改正によって時間外労働の上限規制が厳しくなったため、在宅勤務での長時間労働を放置していると法律違反となる可能性があります。規制内容は以下のとおりです。
- 原則 月45時間、年360時間まで
- 臨時的な特別な事情があり労使が合意する場合でも
- 年720時間以内
- 複数月平均80時間以内
- 時間外労働が月45時間を超えられるのは年に6ヵ月まで
従業員の健康を害する
在宅勤務での長時間労働が常態化すると従業員がうつ病などに罹患する恐れがあり、最悪の場合、過労死の危険性もあります。在宅勤務では従業員の稼働状況が見えにくいため、労働時間の可視化は急務と言えるでしょう。
長時間労働が原因で従業員がうつ病となったり自殺してしまったりした場合、安全配慮義務に違反したことを理由として会社側に賠償責任が発生します。安全配慮義務については下記のとおり、労働契約法に規定されています。
“使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働できるよう、必要な配慮をするものとする。”
引用:労働契約法第5条 安全配慮義務
生産性を上げるための方法
仕事環境の整備
在宅勤務の生産性を上げるためには、PC機器やWi-Fiなどの整備は欠かせません。
- 従業員に業務用のPCを貸与する
- 紙ベースで業務を行っている場合は、ペーパーレスに移行する
- どこからでもファイルにアクセスできる環境を整える(クラウドの導入)
社外から重要な情報にアクセスするため、セキュリティソフトの導入などが必須であることが注意点です。
気軽に相談できる体制を整える
チャットなどを用いて、気軽に相談できる体制を整えましょう。職場にいるのと同レベルのコミュニケーション体制を構築することで、生産性の低下を防げます。また、雑談ルームを設けるなどして、従業員がホッとできる環境をつくることも、長期的に見れば仕事の生産性を上げることにつながります。
メリハリをつける
例えば、休憩時間を除き着席を求めるなど、職場と同様の緊張感を持って働いてもらうための施策も必要です。また、在宅勤務では運動不足となる従業員が増えることから、従業員に対して運動やストレッチの習慣について啓発することも大切です。仕事の合間に適度に体を動かすことでリフレッシュでき、その後の仕事の生産性が上がります。
業務時間を可視化する
在宅勤務では各人の稼働状況が見えないため、「いつ」「どこで」「どのような業務が」行われているかを可視化することが大切です。可視化することで各人が重複した業務を遂行することを避けられます。また、可視化することで無駄な業務を発見でき、それを削減するなど改善できる点も見えてきて、業務の生産性向上につながります。
ここまで見てきたように、在宅勤務には長時間労働が常態化しやすい特有の理由が複数あります。それらが複合的に重なることで、長時間労働になりがちです。在宅勤務での長時間労働を防ぐためには、まずはツールを用いて業務時間を可視化することが先決です。この機会に長時間労働抑止システム「Chronowis」をご検討ください。
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