テレワーク

在宅勤務が抱える問題点とは?
解決策と解決のポイントを紹介

公開日:2023 / 11 / 28更新日:2024 / 5 / 14

新型コロナウイルス感染者の待機要請がなくなった2023年5月8日以降、多くの企業で在宅勤務からオフィス勤務へ回帰する傾向が見られます。多様な働き方の実現につながる在宅勤務は、働き方改革の推進といった意味でも、本来であればオフィス勤務と並行して継続すべき働き方の一つです。

しかし、それでもオフィス回帰の流れが強まっている理由は、在宅勤務が抱える問題点が顕在化したからです。そこで本記事では、在宅勤務が抱える問題点の解決策や、ポイントについてお伝えします。

在宅勤務の問題点

2020年4月7日にコロナ感染拡大防止対策として、東京や神奈川、大阪、福岡など7都府県を対象に、そして16日には対象を全国に拡大した緊急事態宣言。この宣言をきっかけに多くの企業が在宅勤務を導入しました。当初は急きょ開始されたことから、主に自宅のインターネット環境や紙中心の業務などが問題となっていましたが、その後、さらに多様な問題が顕在化しています。具体的には次のとおりです。

  労務管理が難しい

在宅勤務で大きな問題の一つが、労務管理の難しさでしょう。社員が目の届く場所にいないため、正確な勤怠状況の把握ができません。

働く側にとっての問題点は在宅勤務の社員は自宅で業務を行うため、仕事とプライベートの区別が難しく、どこからどこまでが業務時間かの判断がしにくい点です。メールや電話対応を業務時間外に行い、結果として長時間労働になってしまう可能性も高まります。

また、上司の目が行き届かないことで、業務時間でもついさぼってしまうケースも少なくありません。どちらにしても労務管理の担当者としては頭を悩ませる問題だといえるでしょう。

労務管理の課題と解決策については、「労務管理における3つの課題と解決するための対策とは?」も参考になります。ぜひご覧ください。

  人事評価や労災認定などの判断が難しい

オフィスで働く社員と自宅で働く社員の人事評価がまったく同じでよいのか、あるいは分けるべきかは、難しい問題です。特に在宅勤務の場合、業務内容の把握が難しいことが、より評価を難しくしています。

また、自宅でケガをした場合の労災認定も明確なルールがないと判断に迷ってしまうかもしれません。対面でのコミュニケーションが取れないことから健康面やメンタル面の不調に気づきにくく、対応が遅れてしまう可能性が高いのも、在宅勤務ならではの問題です。

  コミュニケーションや情報共有が難しい

在宅勤務により対面でのコミュニケーションが取れなくなったため、細かいニュアンスが伝わりにくくなるのは在宅勤務の大きな問題です。導入当初から指摘されていた問題ですが、約3年たっても解決はしていません。

  モチベーションの維持が難しい

オフィスで部署やチームと一緒に働いていれば、困った時にはすぐ質問をしたり、互いに声を掛け合ったりすることで、モチベーションを維持することも可能です。しかし在宅勤務の場合、周囲には誰もおらず、離れている相手に声をかけるタイミングも難しいため、どうしても孤立してしまいます。その結果、モチベーションを常に高く保つのは困難です。

在宅勤務の問題点を解決する策

今後も多様な働き方を継続していくうえで、在宅勤務のさまざまな問題点については、早急な解決が求められます。ここでは、在宅勤務によって生じる問題点の解決策について解説します。

  • 在宅勤務に合わせた労働時間制の見直し・改善
    労働時間や休憩時間などを在宅勤務に対応するよう見直します。たとえば、個々の仕事量とライフスタイルに合わせて柔軟に働けるフレックスタイム制やみなし労働時間制の導入などが挙げられます。それに伴い就業規則を変更する場合は、所轄の労働基準監督署に届け出を行わなくてはなりません。それを怠ってしまうと罰金の対象となる可能性があります。
  • コミュニケーションツール導入とルールの策定

    コミュニケーション不足を解決するための対策として考えられるのは、大きく3つあります。

    一つめはコミュニケーションツールの活用です。グループウェアや社内SNS、チャットツールなどを導入し、業務内容についてはもちろん、雑談用のチャンネルを作成するのもよいでしょう。

    二つめは、オンラインイベントの開催です。オンラインでの朝礼・ランチ会、リモートゲームや飲み会、勉強会、特定のテーマでの討論会などが挙げられます。

    三つめは、コミュニケーションルールの策定です。在宅勤務ではテキストでのやり取りが主となるため、できるだけ無駄を省きつつ適切に相手に伝えるためのルールを策定し、共有します。情報を正確に伝えられるよう主語や目的語をはっきり示したり、簡易的なリアクションとしてスタンプの活用を推奨したりするなどのルールで、メリハリつけたコミュニケーションを浸透させましょう。

    コミュニケーション不足の現状については、「テレワークでのコミュニケーションが不足する理由とは?おすすめの解決策も解説」をご覧ください。

  • 賃金・精神面双方のサポート
    モチベーション低下を防ぐ対策として、在宅勤務手当の導入、適切な評価制度の導入などが挙げられます。オフィスとは異なり、常に一人きりでの作業となるため、わかりやすく公平感のあるサポートが必要です。
    詳しくは、「テレワークでモチベーションが下がる!?維持・向上のためにできること」をご覧ください。
  • ITツールの導入
    コミュニケーションツールやプロジェクト管理ツールなど、スムーズに業務を遂行するために必要なツールの導入を進めます。労働時間管理については、通常の勤怠管理ツールだけでは難しい場合があります。パソコンの利用制限や稼働ログの取得が可能で、長時間労働を抑止できるようなシステムの導入が理想的です。

在宅勤務の問題点を解決する際のポイント

在宅勤務の問題解決にあたっては、次のポイントを抑えることでより効果が期待できます。

  • ハイブリッド勤務の推進
    育児や介護など特別な事情がない限り、週1~2日程度のオフィス勤務を兼ねるハイブリッド勤務を推進します。これにより、コミュニケーション不足やモチベーション低下のリスク低減が期待できるようになるでしょう。
  • 定期的な従業員満足度調査の実施
    定期的に従業員満足度調査を実施します。それにより在宅社員の現状把握や精神面での不安の把握が可能です。また、オフィス勤務の社員に不満はないかの確認にもつながり、調査結果を改善策のヒントとして活用できます。
  • ITツールの適切な選択と運用
    ITツールを導入しても自社に合っていない、使い方が難しいなどといった場合は誰も使わなくなり、問題解決につながりません。そのため、導入時には無料トライアルがあるか、サポート体制は充実しているかなどを十分確認しましょう。また、運用開始後も適切に使われているかのチェックが必要です。業務プロセスの改善、使い方の勉強会などを実施し、ITツールをしっかり活用していくことが大切です。

在宅勤務の問題解決には適切な労働時間の管理が重要ポイント

在宅勤務の問題は、多くの場合コミュニケーション不足やモチベーション低下などが第一に挙げられます。しかし、それ以上に重要な問題が労働時間の管理です。在宅勤務はオンとオフの切り替えが難しく、業務時間終了後もなんとなく作業を続けてしまうケースが少なくありません。

これが常態化すると、長時間労働につながり、体調不良やモチベーション低下の要因ともなってしまいます。そのため、在宅勤務の問題を解決するには労働時間の適切な管理が重要なポイントです。長時間労働を防げるようになれば、自ずとその他の問題も解決につながる可能性が高まるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、長時間労働防止システム「Chronowis」です。パソコンの利用制限と稼働ログの取得が可能な長時間労働を抑止できるシステムのため、勤怠管理システムと連携させることで適切な労働時間管理が実現します。

在宅勤務の問題にお悩みの際は、ぜひ「Chronowis」の導入をご検討ください。

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