テレワーク

テレワークでモチベーションが下がる!?
維持・向上のためにできること

公開日:2023 / 6 / 8更新日:2024 / 5 / 14

新型コロナウイルス感染症や働き方改革の推進などにより、オフィスに通勤せず自宅で仕事を行うテレワークの導入が進んでいます。テレワークでは通勤にかかる時間や移動の手間を省ける半面、労働時間の不明瞭化や孤独感など、さまざまな要因からモチベーションが下がりやすいとも言われます。そこで、本記事ではテレワークの導入でモチベーションが下がる要因や人事部門でできることを解説します。

テレワークの導入によるモチベーションの変化

新型コロナウイルス感染症の流行により、全国で急速にテレワークが広まりました。では、テレワークの前後で働くモチベーションはどのように変化したのでしょうか。株式会社リクルートでは、2020年9月に「テレワーク前後での働くモチベーションの変化」について調査を行いました。その結果、テレワークの実施前後で「働くモチベーションが低い」と回答した人の割合が8.4pt増加しているのです。

テレワーク実施前後での働くモチベーションが「非常に高い」「やや高い」と答えた人が0.6pt減少しているのに対し、「やや低い」「非常に低い」と答えた人が8.4pt増えているということは、テレワークの実施によって働くモチベーションが低下してしまう人が一定数いるということでしょう。

特に、チームで働く仕事が減ったという人に限ってモチベーションの変化を調べると、「非常に高い」「やや高い」と答えた人は5ptも減少したのに対し、「やや低い」「非常に低い」と答えた人は14.5ptも増えています。つまり、テレワークによるモチベーション低下には、チームでの仕事の減少がある程度関わっていると言えそうです。

テレワークの導入によるモチベーション変化の要因

前述のように、テレワークの導入ではモチベーションが低下する人の割合が多く見られます。テレワークでのモチベーション変化に関係する要因として、以下のことが考えられるでしょう。

  コミュニケーション不足

前章での調査結果からも、チームでの仕事の減少はモチベーションの低下に一定の影響を及ぼすことが示唆されています。つまり、オフィスでは周囲の人と簡単にコミュニケーションできますが、テレワークではなかなかコミュニケーションが取りづらいため、孤独感からモチベーション低下につながるということが考えられます。

  業務状況が把握しづらい

テレワークでは業務内容が可視化しにくいため、評価につながりにくいということもモチベーション低下の大きな要因のひとつです。オフィスに出勤していれば、仕事ぶりが上司や同僚から見えやすいため、激励を受けたり小さな疑問や評価などを確認したりすることも簡単にできるでしょう。しかし、テレワークでは業務状況が把握しづらいため、こうしたフィードバックを受けづらくなってしまいます。

  業務の全体像が分かりにくい

テレワークでは他の社員の動きが見えなくなってしまうため、いま誰が何をしていて、業務がどのように進んでいるのか、全体像が把握しにくくなります。オフィス勤務では誰が何をしているのか、ちょっと聞いたり周囲を見回したりすれば済んだことが、テレワークでは把握しにくくなってしまうのです。そのため、自分が何をすればいいか分からなくなり、モチベーションが下がってしまうケースがあります。

  オンオフの切り替えがしにくい

家族が家にいることで気が散る、休憩時間と業務時間の境目が曖昧になるなど、自宅で仕事をするにはさまざまな阻害要因があります。オフィスに出勤している場合、出社から退社までは仕事の時間として集中できていたものが、仕事と生活の場が同じになったことで切り替えにくくなり、業務へのモチベーションが上がりにくくなってしまうのです。

  適切な作業環境ではない

自宅で作業を行っている場合、パソコンのスペックや業務机、椅子などが必ずしも長時間の業務に適しているとは限りません。そのためにモチベーションの低下につながってしまうことが考えられます。

  運動不足

自宅がオフィスになることで通勤時間がなくなるというメリットがありますが、その半面、外に出る機会が減ります。運動不足に陥りやすくなり、体調不良からモチベーションを保ちにくくなるというデメリットが考えられます。

【制度編】テレワークでのモチベーション維持・向上のための人事制度改革

テレワークで従業員のモチベーションを維持するために、人事部門はどんな制度を提供できるでしょうか。また、各施策はどういった点に気をつけて実施すべきなのでしょうか。ここでは、3つの制度について解説します。

  適切な評価制度の導入

テレワークでは業務がなかなか目に見えないため評価につながりにくいですが、テレワークでも適切に評価できるような制度を導入することで、モチベーションアップにつなげられるでしょう。

従業員間での評価の納得感や公平性を高めるため、目標達成度合いを測る指標はできるだけ定量化します。定量化しにくい職種や業務内容でも、「行動量」「アウトプットの回数」などを指標とし、可能な限り見える化します。

また、目標達成度は「日次」「週次」などできるだけ短期間で設定し、測定しやすくするとよいでしょう。

ただ、ポテンシャルのある人材にもかかわらず、業務内容や経験不足といった理由で定量的な結果が残せない場合もあります。成果主義的な評価基準だけでなく、業務プロセスに重きをおいた「プロセス評価」やチーム内で多面的に評価する「360度評価」なども必要に応じて取り入れるとよいでしょう。

  定期的なミーティングとフィードバック

孤独感解消や業務全体の見える化のため、定期的なミーティングとフィードバックの場を設けましょう。テレワーク中の悩みを吸い上げ、改善策を一緒に検討したり提示したりしていく姿勢が必要です。

四半期や半期ごとに実施する人事評価面談だけでなく、業務上の悩みを相談する「1on1ミーティング」、電話やEメールよりも気軽にコミュニケーションを取りやすいオンライン会議システムやチャットツールを導入するとよいでしょう。

  在宅勤務手当の導入

テレワークでは自宅をオフィスとして利用するため、通信費や水道光熱費、パソコンなどの業務利用分が生じます。在宅勤務手当は、そうした在宅勤務にかかる費用軽減のために、現金や現物を支給する制度です。在宅勤務手当の導入によって適切な作業環境が整備されれば、モチベーションアップにもつながるでしょう。

【ツール編】テレワークでのモチベーション維持・向上のために人事部門でできること

テレワークで従業員のモチベーションを維持するために、人事部門はどんなツールを導入すれば改善を図れるでしょうか。

  コミュニケーションツールの導入

コミュニケーション不足で孤独を感じ、モチベーションが下がる人は少なくありません。そこで、チャットツールやオンライン会議ツールなどのコミュニケーションツールを導入し、モチベーションを高める方法があります。

  勤怠管理、タスク管理ツールの導入

勤怠管理ツールやタスク管理ツールの導入で、誰がどのように働いているか分かります。サボっていると思われるのではないかというストレス、非効率な業務フローからの脱却によるモチベーション向上が図れるでしょう。

【働き方編】テレワークでのモチベーション維持・向上のために人事部門でできること

テレワークで従業員のモチベーションを維持するために、人事部門はどんな働き方を提案できるでしょうか。

  休憩時間を柔軟に取れるようにする

まずはフレックス制度の導入、休憩時間を好きな時間に設定してよいなど、柔軟性を高めることが考えられます。従業員満足度向上から、モチベーションにつながることが期待できます。

  長時間労働削減の取り組み

テレワークでは労働時間の把握が難しいため、ついつい長時間労働になりがちです。そこで労働状況を見える化したりそのためのツールを導入したりして、長時間労働を削減するようにすると、適切に休息を取ることができ、モチベーションの維持・向上につながるでしょう。

  業務環境の整備を行う

業務用パソコンの貸与、通信環境の整備など、適切な業務環境を整えることで、モチベーションのアップにつなげる方法もあります。

  健康管理をサポートする

テレワークでは長時間のデスクワークに加え、家を一歩も出ずに業務を行うことも可能なため、運動不足になりやすく、体調不良からモチベーション低下に陥りやすいものです。そのため、健康管理をサポートすることでもモチベーションアップにつなげられるでしょう。

  コミュニケーションの機会を増やす

テレワークで上司や同僚とのコミュニケーション機会が減ると、情報共有の遅滞や評価の不透明性が引き起こされる可能性があります。オンライン会議システムやチャットツール、労務管理ソフトウェアの報告機能などを活用して、こまめにコミュニケーションの機会を設けるよう呼びかけていきましょう。

テレワークを導入してもモチベーションを維持できるようにしよう

テレワークの導入により、働くモチベーションが下がってしまう人は一定数います。モチベーション低下の理由はさまざまですが、そのなかでもコミュニケーションの減少や、オンオフの切り替えができにくいことでの長時間労働は非常に問題です。特に、長時間労働は本人も気づかずに行ってしまっている場合も多く、自己管理に任せるのではなく人事部門からの働きかけが必要でしょう。

長時間労働抑止システム「Chronowis」なら、業務時間外のパソコン利用をポップアップやシャットダウンで制限でき、テレワークで起こりがちな長時間労働を抑制できます。テレワークにおける業務状況の「見える化」にも役立つでしょう。テレワークでよく利用されるシンクライアント環境でも使えるため、多様な環境に対応できます。テレワーク化での長時間労働によるモチベーション低下にお悩みの方は、ぜひご検討ください。

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