松下電池工業株式会社設立

松下電池工業株式会社設立式典写真

世界を代表する電池会社へ松下創業者からの激励

このたび、松下電器産業株式会社の電池関連事業が分離独立し、松下電池工業株式会社が創立されました。
電池事業は松下電器創業後、ほどなくして始めた仕事であり、ぜひ別会社としてさらに発展させたいと念願しておりました。それを創業61周年を迎え、本卦がえりの第1年目として、新規開業のつもりで新たにスタートする本年、思い切って初志を貫徹したいと考えました。
創業してまもない頃、夜間、自転車の灯火が風で消えて困った体験から、何とか実用的な電池ランプができないものかと、その考案を思いたち「砲弾型電池ランプ」を開発発売しました。さらに昭和2年、新考案の角型ランプを製作し、はじめて「ナショナル」という名(商標)を冠したのです。
そして昭和6年、乾電池の自社生産を開始するにいたり、その後、蓄電池の製造も始めるようになりました。
各種の電池および電池使用機器の事業は、幅広い分野を含み、特に最近では太陽電池やリチウム電池などの新しい電池の開発によって、需要は広範多岐にわたり、将来へ大きな可能性を秘めた事業であると考えております。
従って、松下電池工業株式会社は単なる松下電器の分社ではなく、わが国を代表する会社に、また近い将来は世界を代表する会社に必ず発展していくと確信しております。

※社史史料の社名の表記は当時の名前で掲載しています。