メンテナンスフリーカーバッテリー「カレック」発売

カレック写真
カレック広告写真

カレックの開発 エキスパンド導入

自動車用MF(メンテナンスフリー)蓄電池の開発に取り組んだのは昭和45年(1970)ごろである。陽極用低アンチモン合金格子、アンチモン吸着性セパレーター、陰極カルシウム合金格子を組み合わせ、ハイブリッド蓄電池に限定して開発に取り組む。48年(1973)秋、カー・エレクトリックを略した「CAREC」と命名してテスト品を市場に送り出した。49年、日本で初めてのメンテナンスフリー蓄電池として、日産対米輸出車に採用され、補修市場では、陽・陰極とも低アンチモン合金格子を使用、50年代前半、即用式蓄電池に代わるヒット商品へと成長した。
しかし、1年半の在庫に耐える商品開発を要望される。当時偶然入手したデルコ社のテスト用蓄電池から、陰極板にエキスパンド格子を見つけ、これを契機に急速にエキスパンド極板開発の機運が盛り上がった。52年、EXPプロジェクトをスタートさせ、55年、生産ライン導入にこぎつけ、「カレック2000」と名づけて、補修市場、新車メーカー同時発売に踏み切った。これを契機にMF蓄電池時代の幕開けとなった。

※社史史料の社名の表記は当時の名前で掲載しています。