ニカド電池「パナニカ」発売

1970(S45)

ニカド電池「パナニカ」写真

パナニカの開発当初

密閉形ニッケルカドミウム蓄電池(ニカド電池)の研究を開始したのは、昭和34年(1959)である。
日本では、まだ使用されていなかったが、欧米では、繰り返し使用できる夢の電池として、雑誌などに紹介され、使用され始めていた。
昭和36年(1961)、カミソリ用の電源として、日本初のボタン形ニカド電池を開発する。
しかし、品質上の問題が発生し、39年、生産の一旦中止を余儀なくされた。
ニカド電池は、過充電時に発生する酸素ガスを、内部で吸収する原理を用いている。
そのため、極板・セパレーター・電解液など、実験から適正な製造条件をもとめた。
しかし、市場での使われ方によっては、密閉の原理がくずれて、内圧が上昇し機能を損なう。
そこで、構造面からも検討し、復帰式の安全装置を開発する。
理論的研究のみでなく、商品の使われ方を調査し、誤使用を想定した構造面の検討・改良は、その後のパナニカの信頼性を大幅に向上させた。

※社史史料の社名の表記は当時の名前で掲載しています。