労務管理

PCログで勤怠管理を行うメリットとは?
具体的な方法、注意点を解説

公開日:2024 / 5 / 14

パソコンの利用状況、データ通信などの履歴、情報を記録するPCログは、勤怠管理に高い効果を発揮するとして、多くの企業で取り入れられています。特にテレワークでの勤怠を正確に把握するにはPCログを見るのが最適です。

今回はPCログで勤怠管理を行うことのメリットや具体的な方法のほか、注意点についてもお伝えします。また、PCログでの勤怠管理に加え、長時間労働の抑制につながる他の方法も紹介しますので、労務管理担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

勤怠管理に効果を発揮するPCログとは

PCログとは、パソコンを開きログインしてからログアウトするまでの利用状況、ファイルの作成や保存、Webサイトの閲覧履歴などあらゆる情報を記録したデータを指すものです。ビジネスにおいてPCログは主に次のようなことに使われます。

  • セキュリティ監視
    不正アクセスの検出やマルウェア感染の追跡など、セキュリティ対策の一環としてPCログが利用されます。また、PCログの監視を社内で周知すれば、パソコン利用者の不正によるセキュリティリスクの軽減、情報漏えいや窃取がおきた際の原因究明も可能です。
  • PC作業の可視化による業務効率化
    PCログを見ることで、どのシステムやツールをどれだけ使っているかが可視化されます。その結果、業務プロセスの問題点や無駄な作業が明確になり、改善へ取り組むことで、効率化が可能です。
  • 勤怠管理

    PCログは社員の勤怠管理にも利用されています。従来、勤怠管理はタイムカードや勤怠管理システムを使って行われるのが一般的でした。しかし、最近では勤怠管理を目的としてPCログが利用されるケースが増加しています。

    実際、厚生労働省による「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」において、労働時間を適正に把握する原則的な方法として挙げているのは次の2点です。

    1. 使用者が、自ら現認することにより確認すること
    2. タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること

      PDFファイル参照:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|厚生労働省

上述したようにPCログはビジネスのさまざまな場面で利用されています。ビジネスにパソコンを使うことが当たり前となった今、勤怠管理においてもPCログは重要な役割を果しているといえるでしょう。

PCログを勤怠管理に活用するメリット

PCログを勤怠管理に活用することでさまざまなメリットが得られます。特にテレワークを行う社員の勤怠管理にはPCログの活用がおすすめです。ここでは理由を解説します。

  虚偽申告の防止につながる

テレワークを導入している企業にとって課題の一つとなるのが、勤怠時間の虚偽申告です。オフィスワークのように本人の在・不在が確認できないため、勤怠は自己申告しかありません。仮に虚偽の申告があれば正確な勤怠管理ができなくなり、オフィスワークの社員との不公平が生じてしまいます。

しかし、PCログを活用して勤怠管理を行えば、単純にパソコンを開いている時間ではなく、作業履歴によって業務を行っているかどうかがわかるため、虚偽申告はできません。また、出社・退社時間の改ざんができないのもPCログのメリットです。

  サービス残業の抑止につながる

PCログを活用すれば、終業時間になったらいったん退社としてその後も作業は続けるといったサービス残業の抑止にもつながります。退社申告をして作業をすればパソコンには作業記録が残るため、正確な作業時間の管理が可能です。

サービス残業は、企業側が社員に強制的にやらせるものですが、社員側の意思で翌日の準備やどうしても終わらない業務を終業後に続けるケースもあります。それを隠れ残業といいます。特にテレワークの場合、上司の目がないことから意識せずに、隠れ残業を行ってしまう可能性もあるでしょう。PCログの活用は、企業側の強制によるサービス残業はもちろん、社員側の隠れ残業の抑止にもつながります。

隠れ残業について詳しくは、「隠れ残業とは?主な発生理由やリスク、防止対策を解説」をご覧ください。

  申告忘れ防止につながる

タイムカードや勤怠管理システムの場合、出社や退社の申告を忘れる可能性があります。後からの申告となると、出社・退社時間が思い出せず、正確な勤怠管理ができなくなってしまうかもしれません。

しかし、PCログであれば、パソコンにログインした時間から作業を終えログアウトするまでの時間を自動で取得するため、申告忘れをするリスク防止につながります。社員も忘れてはいけないといったストレスから解放され、業務に集中できるようになるでしょう。

PCログで勤怠管理を行う方法

PCログで勤怠管理を行う主な方法は次の3つです。ここではそれぞれについて取得方法を解説します。

  手動で取得する

PCログを取得する方法の中で、最もシンプルなのが手動での取得です。ここではWindows10以降でのログ取得方法を解説します。

  1. Windowsマークを右クリックして「イベントビューアー」を開きWindowsログを選択
  2. 左側メニューの「Windowsログ」から「システム」を選択
  3. 右側メニューの「現在のログをフィルター」を選択
  4. 「現在のログをフィルター」がポップアップ表示されるので「イベントソース」から「Power-Troubleshooter」を選択「OK」でログを取得

手動での取得はシンプルではあるものの、テレワーク社員のパソコンのログを毎日取得することはできません。また、企業規模によっては数百、数千人のログをすべて手動で取得するのは現実的ではなく、通常の勤怠管理には向かないでしょう。

  ログ管理システムで取得する

PCログを自動で取得できるログ管理システムを使う方法で、手動に比べ大幅な負担軽減が可能です。ただし、取得したログは社内ネットワークを通じてサーバーに送る必要があり、送るログが増加すれば、ネットワーク遅延がおきてしまうリスクがあります。

  勤怠管理システムで取得する

勤怠管理システムの種類によってはログを取得できるものもあります。既存の勤怠管理システムがログ取得に対応していれば、効率的にログ取得が可能です。ただし、ログ取得に対応していない場合は、新たにシステムの導入を検討する必要があります。

PCログを勤怠管理に活用する際の注意点

PCログを勤怠管理に活用することでさまざまなメリットが得られます。しかし、PCログがあれば勤怠管理システムは必要なくなるわけではありません。前項で解説したようにPCログを手動で取得して管理するのは非現実的です。

また、出社してもパソコンを使わない業務をした場合、ログが残らないため、PCログだけで勤怠管理をすればその社員は遅刻扱いとなってしまいます。

そのため、勤怠管理システムやタイムカードとPCログを併用することが、正確な勤怠管理につながるといえるでしょう。

長時間労働抑止システムと合わせ正確な勤怠管理の実現を

PCログとは、パソコンにログインしてからログアウトするまでに行った作業やWebサイト閲覧履歴などの情報をすべて記録するものです。パソコンを使って作業した時間が正確にわかるため、勤務時間の虚偽申告やサービス残業の抑止につながり、正確な勤怠管理が可能になります。特にテレワークのような上司の目が行き届かない場所で業務を行う際には高い効果が期待できるでしょう。

ただし、パソコンを使わない作業をしている際や手動で取得するのには手間がかかるなど、注意すべき点も少なくありません。そのため、PCログだけに頼るのではなく、勤怠管理システムと併用が必要です。

また、さらなる長時間労働の抑止を実現させるには、長時間労働抑止システム「Chronowis」も、あわせて活用することをおすすめします。

「Chronowis」を活用すれば、残業時間が月間の上限値に達した場合、事前通知をしたうえで、上限を超えれば強制的にシャットダウンされるのでサービス残業の抑止も可能です。適切な勤怠管理の実現にPCログの取得に加え、「Chronowis」の活用を、ぜひご検討ください。

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