労務管理
労務管理システムはどんな種類や機能がある?
選定ポイントやメリットも解説
公開日:2023 / 5 / 31更新日:2024 / 1 / 18
働き方改革による長時間労働の罰則規定(特別条項付き36協定による残業時間の上限規制)、テレワークによる労働時間の不明瞭化などにより、これまで以上に労働時間の「見える化」が求められています。そこで、従業員の労働時間をより正確に把握し、法令順守を維持するため、労務管理システムの導入を検討する企業が増えています。自社に合った労務管理システムを選ぶためにはどんなポイントに気をつければよいのでしょうか。労務管理システムの種類や機能、メリットもあわせて紹介します。
労務管理システムの未導入による問題
まずは、労務管理システムを導入しないと、どんな問題が発生する可能性があるかを見ていきましょう。
紙での申請による二度手間やヒューマンエラー
残業時間や有給申請などを紙文書で申請し、受け取った労務担当者が手入力すれば、二度手間が生じてしまいます。また、手入力によるヒューマンエラーも発生しやすくなります。
長時間労働のリスク
特にテレワークなどを導入している場合、労働時間を正確に把握できず、結果的に長時間労働になってしまう場合があります。序文でもご紹介したように、働き方改革関連法案では残業時間の上限規制がこれまでよりも厳しくなっているため、長時間労働の時間を詳しく把握できていないと、知らず知らずのうちに残業時間の上限規制を超えてしまうというケースが考えられます。
他システムとの連携ができない、または難しい
紙文書での管理や手入力による管理では、勤怠管理システムや会計ソフトなどとの連携ができない、または難しいです。そのため、何かシステムやソフトを利用していても、連携するために再び手入力が必要となったり、複雑な手順を踏まなくてはならなくなったりします。
法改正への対応が困難
労働基準法改正などがあった場合、労務関係の担当者はすぐに対応する必要がありますが、手入力や紙文書による管理の場合、労務管理システムを利用する場合と比べ、法改正に対応する工数がかかり、大変です。
労務管理システムの種類と機能
まずは、労務管理システムにはどんな種類と機能があるか見ていきましょう。労務管理のなかには勤怠管理が含まれているため、労務管理システムには勤怠管理と一体型になったものも多く見られます。
労務管理システムの機能
労務管理システムには、以下の機能があります。
- 入退社の手続き
入退社時に必要な社会保険や雇用保険資格の取得・喪失届、扶養控除等申告書の作成、関係機関への提出など。 - 雇用契約書の作成と締結
就労するために必要な契約書の作成と締結。秘密保持契約書の作成や締結も可能。 - Web給与明細の発行
給与明細をWeb上で発行・配布し、従業員はパソコンやスマートフォンで閲覧するもの。賞与明細や源泉徴収票にも対応できる。 - 年末調整の手続き
給与支払報告書、源泉徴収票、所得税徴収高計算書、扶養控除等申告書、保険料控除申告書などの作成と提出。大企業の多くでは、2021年1月から電子化が義務付けられている。 - マイナンバー管理
セキュアな環境でマイナンバーを管理でき、閲覧履歴も残せる。源泉徴収票や雇用保険などの手続きで必要となる。 - パソコン利用時間の管理
パソコンにログオン/ログオフした時刻を記録し、客観的な労働時間を確認できる。 - パソコン利用制限のポップアップ
残業時間の上限が迫ってくると、パソコン上にポップアップを表示できる。 - 強制シャットダウン
残業時間の上限を超えると、強制的にパソコンをシャットダウンできる。 - 勤怠管理
タイムカードで打刻する場合、打刻漏れや不正のリスクが高くなります。わざと不正を働こうとしていなくても、タイムカードによる打刻はどうしても抜け漏れが起こりやすくなるものです。そのため、抜け漏れに対する対応も必要となり、さらにリソースが割かれてしまいます。社員証や交通系ICカード、指紋認証などを用いて入退室管理と同時に行えば、抜け漏れ対応になり、セキュリティー強化にもつながります。
労務管理システム導入のメリット
労務管理システムを導入することで、人事部にとってどのようなメリットが考えられるでしょうか。
業務効率化が図れる
紙文書で申請を受け付けて転記するのに比べ、従業員自身に入力してもらうことで二度手間が抑えられ、ペーパーレス化や業務効率化が図れます。
長時間労働の是正につながる
労務管理システムを使って勤怠状況をリアルタイムに把握したり、決められた時間以上はパソコンを使えなくしたりすることで、長時間労働の是正につながります。
他システムと連携できる
勤怠管理や会計管理など、他システムと連携することで従業員情報を一元管理できます。
法改正に対応できる
労働基準法の改正などがあった場合にはすぐに対応しなくてはなりませんが、労務管理システムならシステム側で対応してくれるため、労務担当者の対応の負担が軽減されます。
自社に合った労務管理システムの選び方
自社に合った労務管理システムを選定するポイントを4つ紹介します。
対応業務の範囲
自社の求める業務に対応しているかどうかは重要なポイントです。例えば、システム内のフォームが健康保険組合への書類に対応しているかなどをチェックしましょう。
他システムとの連携の有無
他システムと連携してデータを一元管理できることが理想です。労務管理システムの多くは勤怠管理を兼ねていますが、給与計算システムなどと連携できれば二度手間を抑えられます。
従業員情報の入力
紙で従業員情報の申請を受け付けて、システムに手入力すると、ヒューマンエラーが生じやすくなります。従業員情報を本人に入力してもらえるようなシステムなら、担当者の手間が省けるほか、ヒューマンエラーも低減できて便利です。
サポート体制
トライアルなどの導入サポートや、導入後にメールなどですぐに相談に乗ってもらえるところが安心です。
運用コスト
どんなシステムでもコストはかかりますが、費用対効果が見合っているかどうかをチェックしましょう。
労務管理システムの選定ポイントを理解し、自社に合った労務管理システムを選ぼう
ひと口に労務管理システムと言っても、その種類はさまざまです。勤怠、給与、研修、評価、社員管理などさまざまなことができるタレントマネジメント系ツールも多く見られますが、それほど多くの機能は必要ない、まず労務管理の機能だけが欲しいというケースもあるでしょう。特に、まずは働き方改革関連法案による長時間労働の抑制に絞って対応したいという企業も少なくないのではないでしょうか。
長時間労働抑止システム「Chronowis」なら、パソコンの利用時間を記録し、時間外利用時にはポップアップ表示を行うなどして、働きすぎを軽減できます。また、テレワークなどで勤務状況の実態が見えにくいという場合でも、労働時間の「見える化」が可能です。さらに、時間外利用時の強制シャットダウン、残業時間が月間上限値に達する前の事前通知などを行うことで、法令違反を防止します。従業員の労務時間管理にお悩みの方は、ぜひ一度ご検討ください。
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