導入効果 活用例
AI-OCRの導入で作業効率を大幅に削減!
導入効果と活用事例を紹介
公開日:2023 / 5 / 31更新日:2024 / 1 / 19
業務効率化やペーパーレス化を目的に、OCRを導入する企業が増えていることをご存知でしょうか。なかでも特に、AIを搭載したAI-OCRが注目を浴びています。
本記事では、AI-OCRでできることや、AI-OCRの導入がどのような効果をもたらすのかを解説します。実際の導入事例についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
< 目次 >
- AI-OCRとは?
- OCRにAIを活用するメリット
- AI-OCR導入によって業務効率化が見込める業務の事例
- AI-OCR導入による5つの効果
- 工数削減
- 生産性向上
- データの検索性向上
- システム連携業務の負担軽減
- RPAとの連携で業務を効率化
- AI-OCRの導入事例
- 事例(1):経理証憑の60%以上を自動照合に移行
- 事例(2):作業時間を約57%削減
- AI-OCRの導入で作業効率化を
AI-OCRとは?
OCR(Optical Character Recognition/Reader)は、光学文字認識とも呼ばれます。紙に書かれた文字をスキャナやカメラで読み取り、自動で文字データ化する技術のことです。
そして、このOCRに人工知能(AI)を活用したのがAI-OCRです。AIの働きによって、通常のOCRよりも正確な文字認識が可能となっています。
OCRにAIを活用するメリット
先ほど、AI-OCRはOCRにAIを活用したものだと説明しましたが、AIを活用することで、具体的に以下の3つのメリットがあります。
- 読み取り精度が継続的に向上する
- 新しい用語や業界用語などに対応できる
- 手書きの文字に対応できる
まず、1点目の【読み取り精度が継続的に向上する】という点に関してですが、AI-OCRは学習することで、読み取りの精度が継続的に向上していくというのが最大の特徴です。誤認識を学習していきますので、使っていくにつれて読み取りの精度は向上していきます。
続いて、2点目の【新しい用語や業界用語などに対応できる】という点に関してですが、例えばインボイス制度における【適格請求書 発行事業者 登録番号】のような新たな用語や、業界特有の用語が出てきた際にも、AIが学習をすることで読み取りが可能です。
最後に3点目の【手書きの文字に対応できる】ですが、AI-OCRは新聞や書籍などの印刷文字だけでなく、手書きの文字も読み取り可能です。紙媒体の文書を手打ちで入力してデータ化する必要がなくなるため、領収書や帳票などの入力が発生するバックオフィス作業の大幅な効率化が期待できます。
AI-OCR導入によって業務効率化が見込める業務の事例
AI-OCRを導入することで、各部門で以下のような業務の効率化が見込めます。
経理部門 | 請求書や注文書の読み取り時間を短縮 経費精算システムや会計システムなどに連携 |
---|---|
企画・マーケティング部門 | アンケートの集計時間を短縮 CRMシステムなどに連携 |
営業部門 | 申込書の読み取り時間を短縮 SFAシステムや販売管理システムなどに連携 |
管理部門 | 社内備品の管理に関わる書類を電子化 ERPシステムなどに連携 |
AI-OCR導入による5つの効果
- 工数削減
- 生産性向上
- データの検索性向上
- システム連携業務の負担軽減
- RPAとの連携で業務を効率化
1.工数削減
AI-OCRの導入による一番の効果は、今まで人力で行っていた作業を自動化し、工数削減できることです。
例として経理部門であれば、さまざまな取引先から送られてくる請求書の入力が業務あり、月末月初は業務がひっ迫してしまう課題があるかと思いますが、AI-OCRを導入することで、大幅な工数削減が見込めます。
AIが搭載されていない従来型のOCRは、紙面上のどこにどのような内容が記載されているかといった情報を、事前に設定する必要があります。この設定は帳票ごとに必要なため、設定だけで膨大な作業が発生してしまう問題がありました。
しかしAI-OCRなら、帳票を自動で認識するため、事前の設定が不要です。帳票をスキャンすれば、すぐに内容が自動でデータ化され、作業が効率化されます。人の手では処理に時間がかかっていた大量の請求書も、AI-OCRを使えばスピーディーにデータ化可能です。
2.生産性向上
AI-OCR導入により、今まで人力で行っていた作業を自動化し、工数削減をするだけではなく、人が行う作業をAIがサポートし、生産性を向上させるという効果も見込めます。
例えば、データを手入力した際に、誤りがないかの確認・修正を行う必要があると思いますが、入力するデータが膨大だと確認・修正の量も膨大になります。
しかし、AI-OCRならデータの一次チェックをAI-OCRが行う体制を構築できるので、確認・修正業務が効率化され、生産性の向上が見込めます。
また、AI-OCRによる確認・修正と、人による目視チェックのダブルチェックを行うことでミスを防ぐ効果もあります。
3.データの検索性向上
AI-OCRで書類をOCR処理する際に、書類記載の情報から検索用のキーワード(社名や管理番号など)を抽出し、抽出したキーワードをファイル名に設定することで、検索性向上も見込めます。
紙媒体でデータを保管した場合、「どの棚のどのファイルに書類を保管したか?」など、必要なデータを探すのに時間がかかってしまうという業務上の課題があるかと思います。
しかし、AI-OCRなら、OCR処理する際に書類記載の情報から検索用のキーワードを抽出し、抽出したキーワードをファイル名に設定することで、紙媒体に比べて情報の検索時間を大幅に短縮できます。
さらに、書類の仕分けやファイリングといった業務の時間も削減可能です。
4.システム連携業務の負担軽減
多くのAI-OCR製品には、ERPシステム・販売管理システム・会計システム・経費精算システムなどのシステムと連携する機能が搭載されています。
例えば、AI-OCRを使わず領収書を経費精算システムに登録する場合、原本を目視確認しながら手入力で領収書の記載情報を登録する業務が発生するかと思います。
しかし、AI-OCRなら、領収書などの帳票の記載情報を自動でデータ化し、更にAI-OCR処理でデータ化した情報を、自動でシステムと連携できるので、負担が軽減されます。
5.RPAとの連携で業務を効率化
AI-OCR製品の中にはRPA(Robotic Process Automation)と連携し更なる業務効率化できるものもあります。
RPAとは、人力で対応していた定型作業を人に代わって実施する取り組みです。
例えば、AI-OCRでデータ化した入力情報を、RPAに連携することで、自動でシステムに登録するだけでなく、指定形式のExcelに加工し、指定フォルダに加工する対応も可能です。
AI-OCRを使用しない場合は、【データを入力する】【入力したデータをシステムに登録する】【入力したデータをExcelに加工する】【加工したExcelデータを指定フォルダに格納する】の対応が必要になります。
しかし、AI-OCRとRPAが連携することで、一連の業務を自動化でき、業務を効率化できます。
AI-OCRの導入事例
AI-OCRは、経理や総務といったバックオフィスの現場で導入されることが多いです。AI-OCRを導入し、効率化を実現した事例をご紹介します。
事例(1):経理証憑の60%以上を自動照合に移行
パナソニック フィナンシャル&HRプロパートナーズ株式会社様
【事業内容】シェアードサービス事業、経理・財務プロフェッショナル事業、人事プロフェッショナル事業
【従業員数】667名(2022年4月1日現在)
【導入部門】経理
課題
- パナソニックグループの経理部門を担い、グループ国内社員の経費精算や出張精算の確認・修正のために、毎月5万件以上の膨大な帳票処理に時間がかかっていた。
- 証憑と経費申請の内容を人が目視で照合しており、経理の業務がひっ迫していた。
効果
- AI-OCRによる領収書の取り込みとデータ化に加え、自動照合の仕組みを組み合わせて導入することで領収書では68%、請求書では62%が自動照合に移行され、大幅な工数削減を実現した。
- システムが自動で一次チェックし、一次チェックでエラーのもののみ人が確認する体制に移行できた。
事例(2):作業時間を約57%削減
【企業名】A社
【事業内容】製造卸業
【導入部門】経理
課題
- 毎月2,000件の様々な形式の帳票があり、入力および確認業務がひっ迫していた。
効果
- 272時間/月かかっていた帳票の入力及び確認作業が117時間/月となり、作業時間を約57%削減できた。
AI-OCRの導入で作業効率化を
AI-OCRを導入することで、業務効率化により作業時間を削減できます。また、人為的なミスの防止の観点からもAI-OCRは有効です。
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