運用ノウハウ 活用例 導入ポイント

「社内ヘルプデスク」の仕事はチャットボットでどう変わる?

公開日:2022 / 7 / 22更新日:2024 / 2 / 2

社内からの問い合わせに対応する「社内ヘルプデスク」。昨今の働き方改革の推進で、ヘルプデスク業務の負担改善がどの企業でも喫緊の課題となっています。そんな中、業務の自動化支援ツールとして期待されているのが「チャットボット」です。チャットボットが業務改善にどのような効果をもたらしているのでしょうか。AIチャットボットFAQサービス「WisTalk」を提供するパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社の働き方改革事業部門/オフィスソリューション一部 事業推進課の小川裕幸課長、同営業課の高見秀司課長に、現場の声や導入の効果について聞きました。

社内ヘルプデスクは日々対応に追われている

「社内ヘルプデスク」とは、経理、人事、法務、情報システムなどの各部門で、主に自社の従業員から電話やメールで寄せられる問い合わせに対応する業務です。

自社内といえども、お問い合わせの内容は人によってさまざまであるため、社内ヘルプデスクはあらゆる疑問に対応できる柔軟性が求められます。例えば「年末調整について教えてください」(経理)、「育児休暇制度について教えてください」、「退職後の住民税の納付はどうなりますか?」(人事)、「仮単価で発注することは認められますか?」「規格ロゴの使用にはどんな手続きが必要ですか?」(法務)、「突然メールが受信できなくなりました」「クラウドサービスの利用方法を教えてください」(情報システム)など、問い合わせは尽きません。必然的に業務にかかる時間も膨大です。

社内FAQの利用頻度が高まらない理由は?

小川 裕幸 課長

パナソニック
ソリューションテクノロジー株式会社
オフィスソリューション一部 事業推進課
小川 裕幸 課長

一般的に、社内ヘルプデスクの担当者は専任ではなく、コア業務との兼任です。そのため社内ヘルプデスク業務の効率化や負担減を目的に、多くの企業では「よくある質問(FAQ)」とその回答が社内向けWebサイトなどに公開されています。

「ところが、FAQを読んで回答を探すよりも、直接聞いてしまった方が早い。そう考える人はまだまだ多く、電話やメールによる問い合わせが集中しているのが実情です。それぞれの利用者にとっては“1回だけ”の質問であっても、社内ヘルプデスクにとっては“多くの人から何度も同じ質問を投げかけられる”ことになります」

そう社内ヘルプデスクが直面している問題点を語ってくれたのは、パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社の小川裕幸課長。同社のAIチャットボットFAQサービス「WisTalk」の開発と運用に携わる中で、さまざまな企業の生の声に耳を傾けてきました。

「なかなかFAQの利用頻度が向上しない、ある程度活用されているようだけど、適切な内容かどうかよく分からないとお悩みの企業は多いのです。そうした企業のFAQ利用記録を調べてみると、改善の余地がかなりあると感じるものも少なくありません。例えば、以前作成したFAQが、利用者がいま知りたいことをカバーできていないことや、そもそもFAQがカバーしていない問い合わせが一定数にのぼる傾向にあることも分かりました」(小川課長)

社内ヘルプデスクの負担減に必要なのは利用者の自己解決の促進

多岐にわたる問い合わせの中には、一度のやり取りでは完結できないものも珍しくありません。また、社内の制度、システムに対する「意見」や「クレーム」などのケアを行う必要もあります。対応が遅れ、利用者の満足度を低下させてしまうこともあるでしょう。こうしたプレッシャーに直面している社内ヘルプデスクは、ますますコア業務に取り組む時間が確保できなくなっているのです。

課題を解決するためのポイントは、やはり「利用者の自己解決を促す仕組み」を整えることでしょう。まず考えられる改善策はFAQやマニュアル類のリニューアルです。ただし、これも少なくない時間と労力を費やさなければなりません。また、利用者の問題解決への意識や仕組みに対する理解度は千差万別。利用者が自身で解決策にたどり着けないケースは少なくありません。社内ヘルプデスクの負担軽減はなかなか進まないのが現状です。

高見 秀司 課長

パナソニック
ソリューションテクノロジー株式会社
オフィスソリューション一部 営業課
高見 秀司 課長

そこで「社内ヘルプデスクの業務支援」を目的にチャットボットを導入する企業が増加しています。「実際、当社のWisTalkを導入していただいた企業から“仕事の負担が減った”との声を多くいただいています」と言うのは、パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社の高見秀司課長です。

「チャットボットの導入前後を比較してみると、ある企業では電話による問い合わせ件数が半減。その要因として、チャットボットが回答して疑問を解決したとの明確なデータが得られました。興味深いのは、問い合わせの「総数」は増えている点。チャットボットだから気軽に質問できる、窓口が時間外であっても対応してもらえる、電話やメールのように待たされずに済むといったメリットが、利用者に受け入れられているようです」(高見課長)

数万人規模の運用ノウハウと手厚いサポートが強み

現状のFAQを単に一般のチャットボットに移行するだけでは、大きな効果は得られません。WisTalkが利用者に適切な回答を提供できるのは、パナソニックグループの数万人規模の運用で培ったノウハウが生きているからこそ。さらに、スムーズな導入、運用のための手厚いサポートに注力しているのもWisTalkの強みです。

「まずは導入前のトライアルとして、WisTalkが本当に使えるかどうかを判断していただきます。テンプレートで一般的な社内ヘルプデスクに寄せられる質問はカバーしていますが、それをお渡しして終わりではありません。導入部門に適したチャットボットとして回答の精度を上げていくために、お客様の意見を伺いながら一緒にFAQの内容を考えて、“これならリリースできる”と思える段階までしっかりとサポートする体制を整えています」(小川課長)

高性能エンジンで細かな要望にも応える

「こんな問い合わせの場合はこのように答えられるようにしたい、質問のグループ分けを見直したい、別のWebページに誘導して担当者にメールで知らせる仕組みにしたい。お客様とお話しすると、困りごとや要望がどんどん具体的なものになっていきます。現状のWisTalkが可能な範囲で、実際に機能を構築してデモ版としてご提案するなど、当社のチームが最大限にフォローします」(高見課長)

WisTalkに採用されているエンジン・アプリケーションはパナソニック製。
エンジンは対話技術を競う国際的なコンテストで1位を獲得した高性能のもので、導入企業の要望に応じたカスタマイズ、細部のチューニングなどが可能です。例えば、2020年3月リリースの「WisTalk バージョン7.0」では、Google社の自然言語技術「BERT」を採用。質問者の「イライラ」を検出すると「謝罪文」をひとこと挿入して人間味のある受け答えをするなど、最新の技術を取り入れながら進化しています。

短期間で最適なチャットボットに

チャットボットのニーズが高まる中、シンプルなものから高度な機能を備えたものまで数多くの種類の製品が生まれています。導入してみたものの十分な効果が得られず、乗り換えを検討しているという企業からの相談も増えているようです。

「当社が東京と大阪で開いているAIチャットボットご紹介セミナーの参加者も増加していますので、関心の高さを感じますね。当初はWisTalkの紹介がメインでしたが、現在は運用ノウハウなどをテーマにしたセミナーも実施するようになりました。新しい技術が次々と登場し、働き方改革関連法など職場の環境も変わり続けています。重要なのは、お客様のご要望に対してどこまでタイムリーに対応できるか。お客様と継続的にコミュニケーションを図り、AIチャットボットが十分に機能するようサポートできるのが、私たちの強みです」(小川課長)

「チャットボットを導入するのは大変だ、AIの知識がないから不安。そんなふうに考えている方も多くいらっしゃいます。すべての部門で一気に取り入れるのではなく、最初は範囲を絞ってスタートすることも可能。まずはそこで成果を出して、徐々に広げていけばいいと思います。WisTalkは、短い期間で立ち上げから実用段階に至ることができますので、気軽にお声がけください」(高見課長)

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※ 出典: ITR「ITR Market View : ビジネスチャット市場2022」

  • チャットボット市場 - BtoE用途 : ベンダー別売上金額シェア (2020年度~2022年度予測)