新卒で入社して5年目、現在は複数の業務用空調を操作するコントローラーの開発を担当しています。
実は入社前は、家電の分野で働くことを希望していました。…というよりも、パナソニックが業務用空調の分野でもビジネスを展開していること自体把握していないような状況でした。入社後も「家電の方が業務用よりも社会貢献度が高い」と勝手に思っていたので、どちらかといえば業務用空調の仕事を敬遠していた気持ちもあります。
しかし、5年間この仕事を経験してみて、入社当初に持っていた考えは大きく変わりました。
今は業務用空調の分野でよかったと思っています。その大きな理由の1つが、ビジネスの規模感です。1つの案件で動く金額が、家電のビジネスと比べて桁違いに大きい。ビルや商業施設で使われる機器のスケールも大きく「何百・何千という人々が集まる空間を快適にしている」という意識になります。それだけ社会貢献度の高さを実感し、大きなやりがいを感じています。
今所属しているチームは年齢が近いメンバーも多いため、ざっくばらんに意見を交わすことができるムードができています。たまたま高専出身の仲間が多く、お互いに親近感をもっていることも大きいかもしれません。
そんな環境で、これまでいろいろな課題と向かい合ってきました。中でも印象に残っているのは、1年目に経験した無線LANを使用した新商品の開発業務です。当時パナソニックの業務用空調として初の試みだったこともあり、仕様を評価する方法もない中、手探り状態で知恵を絞る毎日。出張も経験し、いろいろな人たちとの協業の末に完成に至ったときには、感激もひとしおでした。自分たちの仕事が、今取り組んでいる業務用空調のIoT化への足がかりになったという満足感も大きいです。
私が仕事で大切にしているのは「お客様第一」で開発に取り組むということです。特に私が担当しているコントローラーはお客様が直接触れる製品であり、見た目や使いやすさもお客様にとって心地よいものでなければなりません。市場の声を常に吸い上げ開発に活かすことはもちろん、自分がお客様の立場だったとして「使ってみたいと思えるモノを作れているか」を問いながら開発に取り組んでいます。その気持ちになれない限り、どこか妥協しながら製作を進めていることになってしまうと思うのです。これからも、新しい顧客価値を提供できる開発を自分たちの手で成し遂げたいと思っています。
パナソニックの業務用空調という分野は、エアコン、熱交換器、ナノイー、ジアイーノという具合に、空気の質の向上というテーマで開発されたデバイスを総合して、新たな製品を生み出しているのが大きな特徴です。私たちが手がけるコントローラーは、それぞれ異なる事業で開発された技術を融合させ、お客様とつなぐインターフェースです。お客様がそれらを自由に、快適に操作することができる製品を、これからも作り続けていきたいというのが、私の夢です。