カーボンニュートラルに貢献する注目分野 愛情を持って新たな開発に挑む 吸収式冷凍機開発 カーボンニュートラルに貢献する注目分野 愛情を持って新たな開発に挑む 吸収式冷凍機開発

01.規模、種類など、幅広いバリエーションを揃える 01.規模、種類など、幅広いバリエーションを揃える

パナソニックの吸収式冷凍機(ABS)事業は、1971年から50年以上の歴史があります。これまで積み上げた冷房総容量は約687万USRT(2022年4月現在)。地域冷暖房区域や超大型公共施設など超大型案件から、飲食店のような小規模案件まで幅広く手がけ、今やナンバーワンの設置実績を誇る企業として、業界を牽引する存在になっています。

そんな私たちの特長は中型から大型まで、業界トップクラスの幅広いラインナップで多様なニーズに対応できる点にあります。取り扱う設備の規模はもとより、ガス、蒸気、廃熱といった熱源の種類に関しても、豊富なバリエーションを揃えているのが大きな強みになっています。どこか特定のジャンルにフォーカスするのではなく、より多くのお客様に満足いただくための開発を続け、さまざまな場面で活用される商品をつくりあげてきた結果といえます。

吸収式冷凍機開発のカフェでの写真

お客様に寄り添い、その生の声をもとに改良を重ね、納品、そしてその後のフォローまで万全に対応する。それぞれのお客様の事情に合わせて、大切に製品をつくりあげる、カスタマイズ可能な生産体制が、私たちの強みになっています。

※USRT/冷凍トン。1USRTとは、0℃の水1トンを24時間で0℃の氷にするために取り去られる熱量で、3.52kWに相当する。

02.大型案件では個々のアイデアをチームで結集 02.大型案件では個々のアイデアをチームで結集

業務用空調はその規模の大きさゆえに、導入するお客様の使用状況に合わせた調整が必要です。私たちの設計チームは40名ほどで構成されていますが、それぞれが担当する案件に向き合い、個別の要望に応えながら進めています。

お客様に会いに行く機会や、仲間とオープンな気持ちで意見を交換するコミュニケーションも多い私たちのワークスタイルは、自分の案件をコツコツとこなす一般的な開発のイメージとは少し異なるかもしれません。超大型施設へ導入する空調となると、設計から導入まで1年以上にも及ぶような案件もあります。そんな場合には担当の枠を超え、チームとして知識やアイデアを結集し、検討を重ねながら解決へと導いていくことも少なくありません。

吸収式冷凍機開発の業務風景の写真

かつて私は、通常は10項目程度の検討事項が100項目以上にも膨らんだ案件を担当したことがありました。そんな自分一人では解決策が見出せない場面に遭遇しても、いろいろな年齢、経験、個性も異なる仲間が知恵を出し合い協力すれば乗り越えられると学んだ案件として、今も記憶に残っています。

03.環境問題や地域活性化に空調開発で貢献 03.環境問題や地域活性化に空調開発で貢献

昨今の社会情勢から、お客様から環境への対策に関するご要望をいただくことも多くなりました。それは大きく温室効果ガス排出量削減やカーボンニュートラルに関するもの、そして夏場・冬場の電力需要が高い時期に消費電力を抑える節電に関するものという2つのトレンドに分けることができます。

それに対して私たちは、例えば廃熱を利用したジェネリンクや、節電型ナチュラルチラーといった省エネ機器などの空調設備から環境問題解決に貢献することができると考えています。電気ヒートポンプエアコン開発、ガスヒートポンプエアコン空調とABSを組み合わせて導入することで、本来捨ててしまう熱エネルギーを活用して空調を機能させる、あるいは冷媒にフロンガスではなく水を使用する吸収式冷凍機のメリットを活かした環境性の高い空調システムを普及させることも重要です。

さらには池袋や汐留地域ですでに実用化されている、地域で冷暖房のための熱源づくりを集約する「地域冷暖房」は、環境対策と地域活性化の両面から意義のある事業であると、今後も期待を寄せています。このような方向性は、パナソニック全体の志向にもマッチしており、会社側も重要な事業として業務用空調を位置づけています。

吸収式冷凍機開発の写真

私たちはお客様と向き合いながら、社会の未来を見据え、一つひとつの案件を丁寧に、愛着をもって進める事業部でありたいと考えています。自分たちが開発し、販売した商品が、その後どう活用され、どんな形で多くの幸せに貢献しているか。そんなことを想像できる仲間たちとともに成長していけたらと思っています。