高校を卒業し、技術専門校で溶接技術を学んだ私が就職先にパナソニックを選んだのは、学校に求人があった企業の中で一番ハードルが高いと感じたからです。
もちろん企業としてのネームバリューもありますが、大泉拠点(群馬工場)で製造されている吸収式冷凍機には「真空溶接」という高い技術が求められる作業があるため、「自分の力を高いレベルで試してみたい」と感じられたというのが一番の理由です。
その念願が叶って入社し配属されたのは、吸収式製造課。高い溶接技術を持つ方々が集まる部署ということで「職人気質な、無口な人ばかりだったらどうしよう…」という不安はあったのですが、実際にはとても話しやすく、優しい人たちで安心しました。
40、50代のベテランの方が多いのですが、若い私達の意見や提案も受け入れてくれ、一緒に向上心持って頑張っていこうという雰囲気が部署内に満ちています。時には休憩中でも業務改善に関するアイデア交換で盛り上がることも。今の自分を高め合うことができる、とても良い関係性だと思います。
吸収式冷凍機は、業務用空調の中でも大規模の施設に導入され、サイズも大きいため、いくつかのパーツに分けて製造を行います。
現在私が担当しているのはそれらのパーツを溶接し、一つに繋ぎ合わせる「結合工程」です。特にこの工程では、手も入らないような配管との狭い隙間での作業もあり、またうっかりすると穴が開いてしまうような板厚の薄い部品を溶接するため、とても神経を使います。ハイレベルな溶接の仕事がしたいと思っていたのですが、想像していたよりも遥かに上の難しさでした。もちろんときには失敗することもありますが「ものづくりは失敗から学ぶ」と考え、前向きに取り組んでいます。
ペアを組んで作業をする先輩は経験も豊富で、技術はまさに「神レベル」だと感じます。そんな先輩の技術を近くで見て学び、次に自分が難しい作業に直面したときに活用し、うまくいったときは、とても爽快な気分になります。学んだ知識や技術を自分のものにするために想像力を働かせてものづくりをすることの大切さ。私もこれから後輩たちに伝えていきたいと思っています。
他の工程への応援にいくことがあるのですが、そこで新しい溶接作業に出合うたび、この仕事の奥深さを感じます。もっともっといろいろな溶接を体験してみたい。やりたいこと、挑戦してみたいことがありすぎて困るのですが(笑)、自分より上手い人に追いつき、追い越せるように、さらに溶接の技術を極めていきたいというのが今の目標です。
これからこの仕事に携わりたいという人にも、そんなものづくりの楽しさを共有できたらと思います。社会に役立つものを作るという充実感、「自分はこんな凄いものを作ったんだ!」という満足感など、仕事から得られる感動は人それぞれですが、どうせやるからには周りが見えなくなるほどに集中して、突っ走るくらいのほうがいいと感じます。
社会に出て感じるのは、やる気と想像力を働かせて、実務の中で自分の技術やセンスを磨いていくことの大切さです。それによりいくらでも成長していけるのが、この仕事の魅力だと思います。
※掲載内容は、2023年2月時点のものです。