事業活動全体のCO2排出量を実質ゼロへ 工場環境

先端の製造技術に加え、省エネ・再エネ利活用・再エネ調達を段階的に実施することで、Scope1、Scope2におけるCO2排出量を削減し、2030年までに自社のCO2排出量実質ゼロを目指します。 さらに、製品に使用する材質・材料・部材の適切な選定と省エネ機能を搭載した製品の開発により、Scope3におけるCO2排出量を削減し、2050年までにバリューチェーン全体のCO2排出量実質ゼロを目指します。

自社によるCO2排出量削減(Scope1、Scope2)

生産効率向上の徹底、再生可能エネルギー(再エネ)導入などにより、工場からのCO2排出を実質的にゼロにする取り組みを推進しています。

スマートEMSによる省エネ自動制御

恒温室は±0.5℃の厳しい温度管理が求められるため、年間を通じて膨大なエネルギーが必要でした。
スマートEMSにより空調を自動制御する機能を開発し、実際の製造現場で稼働。年間約30%超の電力量の削減を実現しました。

主な機能
AIを活用し、生産状況や外気温の変動による影響を捉え、エネルギー使用量が最小となるよう、空調条件を細かく制御しています。

イラスト:スマートEMSによる省エネ自動制御 運用把握→EMS エネルギーが最小になる電力予測→EMS データベース→EMS 自動制御で分析
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
13 気候変動に具体的な対策を

ピークカット・デマンドレスポンスの導入

構内で、省エネ設備の導入とエネルギー消費を制御。電力調整能力を高め、ピーク時電力量10%削減を目標に、電力会社からの要請に向けた準備を完了しました。

主な取り組み

  • 構内事務所、工場照明の完全LED化
  • 太陽光パネルを 構内に5,500枚設置(1,130kW発電)
  • チラー温度設定、台数削減
  • 空調温度設定変更、コンプレッサ回転数制御
  • 空調室外機への散水、ミスト噴霧
  • スマートEMS
イラスト:ピークカット・デマンドレスポンスの開発・実証 電力消費量を抑制 電力消費 目標値 時刻 ピーク時間帯 太陽光発電システム 蓄電システム 省エネ設備の活用
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ミスト(気化熱冷却技術)の導入

屋外休憩所にて、シルキーファインミスト気化熱利用空調を導入しました。
スポットクーラーと同様の快適な空間を約7分の1のエネルギーで実現できました。
ミスト噴霧により4℃近い冷却効果が得られ、体感温度も大幅に下がることがわかりました。

シルキーファインミスト
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2030年までの取り組み

事業成長や内製率の変動によるエネルギー使用量増加に見合った省エネに取り組み、エネルギー消費原単位の継続的な削減を推進します。
自己投資による再エネ自拠点設置に加え、オフサイトコーポレートPPA※1を主とする第三者投資設置も適切に実施することで、再エネ利活用にも取り組みます。
また、再エネ電力と再エネ証書の導入に向けた検証を行い、2030年までのカーボンニュートラル達成を実現します。

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サプライチェーンのCO2排出量削減(Scope3)

事業活動における環境負荷を低減するにはステークホルダーとの密な連携が必要です。調達段階ではサプライヤと、物流段階では輸送業者と、顧客による製品・サービスの使用段階ではお客様と、それぞれのパートナーとの協働で取り組みを進めていきます。

環境負荷の少ない開発・設計

  • 製品の構造を無駄なくシンプルに設計
  • 環境負荷の少ない部材や機器を採用
  • 環境負荷の少ない購入先から調達
  • 設計完成度を向上させることで、修正手配の削減
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12 つくる責任つかう責任
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省エネかつ高生産性の製品を開発

  • 電力消費において省エネ機器を採用
  • エアやヒーターなどの最適なプロセスを実装
  • 稼働率向上によるエネルギー効率の最大化を実現
  • 製品と付属品に対して小型化軽量化を追求
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調達段階における資材の削減

  • 加工部材での通い箱
  • 市販品での通い箱
  • 一括梱包による開梱後の不要な梱包材等削減
  • 開梱後の梱包箱の返却による廃棄物削減
イラスト:青い通い箱が3箱
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生産段階の産業廃棄物を削減

  • ウエスを買取り方式(廃棄)からレンタル方式(返却)へ切替え
  • グリスのメンテナンスが不要な設備の導入
  • 出荷梱包における梱包形態の最適化
  • 廃棄物の種別に応じた分別の徹底と有価利用の促進
イメージ:丸まった不織布の上にリサイクルマーク
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2050年までの取り組み

Scope3の2023年度実績は316,151t-CO2で、カテゴリ1とカテゴリ11のCO2排出量が大部分を占めました。
このカテゴリによるCO2排出量削減を優先的に取り組み、通過点の2030年には2023年度比の26%削減を目指します。

【カテゴリ1】
①部品分類の細分化・適正化
②手配ロス最小化・再利用
③材質変更・部品変更
④加工変更・構造変更
⑤再エネ導入支援(対サプライヤ)

【カテゴリ11】
①電力算定ロジックの適正化
②省エネ機器・部品への置換
③エアやヒーターのロス最小化
④性能面での原単位改善
⑤再エネ導入支援(対お客様)

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エネルギー生産性の向上

省エネに取り組みながら、生産性を上げることにより、限りあるエネルギーを効率よく使用し、地球環境に与える負荷を最小化しています。

エネルギー使用量削減と生産性向上・品質向上の両立

エネルギー生産性を共通の指標として定義、見える化し、環境負荷の低減と合わせて、生産性と品質の向上に取り組んでいます。

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