PXC門真ビルを管理するのは、パナソニック ファシリティーズだ。同社から清掃業務を委託している会社が2社あり、そのうちの1社が、パナソニック ホールディングスの特例子会社であるパナソニック ハートファームアソシエイツ(以下、パナソニック ハートファーム)である。
同施設では、前述したDEIポリシーの実現に向けてお掃除ロボットを活用し、障がいのある方の活躍の場を広げ、自立を支援する取り組みを推進している。パナソニック ハートファームの主な清掃範囲は、外周、1階、2階の「X-PLAZA」と3階から7階の共用部を担当。また、お掃除ロボット「RULO Pro」1台と業務用小型ロボット掃除機「RULO Biz」17台の管理を担い、総勢6名のチームで清掃業務にあたる。行動指針目標は「安全で丁寧な仕事を心がけよう!」と定め、そこにプラス「カッコよく仕事をしよう!」とした。チームをまとめるのがリーダーの吉村文雄さんだ。
「実は、障がい者5名と私も含めて機械物を使った清掃作業が初めてでした。当然、まずはお掃除ロボットを触って、覚えて、それから彼らに教えるということもしなければなりません。作業マニュアルは何回作り直したのか、覚えていませんね」
同社では、お掃除ロボットに限らず、作業手順書やマニュアルというものにこだわり、どの清掃用具でもそれをどう使って、どういった作業をするのかという個別のマニュアルも作成しているという。取締役である藤井賢哉さんは、「写真や文字で作業をきちんと可視化することで仕事がスムーズにいきます」と話す。
また、同社の方針としてもお掃除ロボットをきちんと戦力化するために、現場スタッフの理解を高めながら、当人たちが考え、対処することが重要と考えていた。
しかしながら、お掃除ロボットを扱うにあたって、「どのボタンを押せばいいのか」というそもそもの課題にぶつかったのである。