「PatentSQUARE」の導入事例 日本電気株式会社様
グローバル競争を勝ち抜くNECの知財戦略
~「PatentSQUARE」で全社員によるグローバル知財情報の活用を推進~
「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現するグローバルリーディングカンパニー」をビジョンに掲げる日本電気株式会社(以下、同社)。
同社は、ITソリューション、キャリアネットワーク、社会インフラ、パーソナルソリューション事業を軸に、250を超えるグループ企業、10万人を超えるグループ社員を抱え、日本から世界に向け、新しい技術・製品を発信し続けている。
その同社でこの度、弊社、パナソニック ソリューションテクノロジーが提供する特許調査支援サービス「PatentSQUARE」が導入された。
私たちは、同社 港区三田の本社を訪ね、導入の目的と経緯についてお話をお伺いした。
全社での特許情報共有への取り組み
日本電気株式会社
技術・知的財産統括本部
シニアマネージャー
吉原拓也氏
「最近、一般の新聞や雑誌などでも、特許関連のニュースが増えていますね。新製品の発売の際なども、それに搭載された技術がどのようなものなのか、どこの企業がどのような特許を保有しているのか、関心を寄せる方が多いようです」
仕事上、毎日大量の特許関連のニュースに目を通すという、同社 技術・知的財産統括本部 吉原拓也シニアマネージャーは、こう話を切り出した。
「“特許検索は、社員全員で行うもの”。NECでは、新入社員のころから、特許調査の重要性・ノウハウを教育しています。知財の専門家にかかわらず、技術者も自分自身で特許調査をするべきですので、当然、特許調査システムは全社員が利用できるというのが前提です」(吉原氏)
数多くの最先端技術を誇る同社では、知財関連の業務に従事する社員のほか、技術者・開発者も自由に特許調査支援サービス「PatentSQUARE」を利用できるように社員全員にIDを発行している。
吉原氏は話を続けた。
「NECでは、NEPAS(株式会社日本電気特許技術情報センター)という会社があり、社員に対し特許に関する情報提供を行っていますが、NEPASが運営するR&D向け社内ポータルサイトでは、全社員がいつでも特許に関わる最新情報を閲覧できるようになっています。NEPASのポータルサイトは、私たち、知財担当者だけではなく、技術担当者も頻繁にチェックしています」
同社では、すべての社員が常に必要な情報を把握し、価値ある情報に変えていくことができるよう知財・特許に係る情報整備に力を入れている。
また、最適なシステム環境で社員が調査できるよう、最新の特許調査システム・サービスの情報収集も欠かさない。
特許調査のプロから初心者まで満足できる機能と操作性
では、何故、数ある特許調査システムの中から「PatentSQUARE」を採用したのか?同社 技術・知的財産統括本部 奥田慶文主任にその経緯についてお話をお伺いした。
「『PatentSQUARE』を採用した理由の一つは、知財専門家だけではなく、技術の社員も自由自在に使いこなせる操作性・機能性です。私たちのような知財担当者以外、例えば、年1~2回しか使用しないユーザーでも、すぐに欲しい情報が検索できるようなサービスを探していました。
また、一方で、より高度で専門的な調査を可能にする機能も同時に求めていました。以前の特許検索システムでは、現場の技術者が自身の開発する技術に関わる情報を簡易的に調べる機能は優れていたのですが、より深く、そして包括的な視点で検索するには、物足りなさを感じていました。『PatentSQUARE』は、初心者でも簡単に使える操作性と、知財のプロも満足できる専門的機能も備えているので、まさに、当社のニーズに合致していました。さらに、情報共有の機能が備わっており、知財と技術者・研究者が連携し、お互いの知識を共有し、融合することができます」
また、「PatentSQUARE」のきめ細やかな機能についても高評価だったという。
日本電気株式会社
技術・知的財産統括本部
主任 奥田慶文氏
「マトリクスマップ機能は、ファーストステップであたりを付けた特許について、その後、詳細な調査を進めるのに適しています。また、自社出願未公開データを一緒に検索できることで、出願の重複を回避できる点も非常に役立っています。このように、業務のシチュエーションに適応した機能を装備している点が気に入っています」(奥田氏)
しかしながら、「PatentSQUARE」の採用理由は、機能性だけではないと奥田氏は話を続けた。
「もちろん、機能・操作性も重要な要素でしたが、気になるのはレスポンスです。特許調査システムの導入検討に際しては、実際に当社の複数拠点から同時にサービスへアクセスを行い、ネットワーク状況にどのくらいの影響を受けるのかをテストしました。複数のシステム・サービスを比較した結果、一番優れていたのが『PatentSQUARE』でした。また、専用のサポートセンターがあり、ちょっとした質問にもすぐに回答をしていただけるのも心強いですね。私たち管理者もサポートセンターをたびたび利用させていただいています」
管理者の負担を軽減し、ユーザーが快適に利用できることも、「PatentSQUARE」採用の大きな理由の一つであった。
グローバル規模での大規模・包括的特許調査を強化
世界規模での企業間競争が激化する中、最新技術で市場を牽引してきた同社でも、知財戦略を優位に進めるために、今後、より一層外国特許の利用シーンが増えていくことが予想される。そこで、グローバルビジネスにおける特許調査のニーズについて、吉原氏にお話をお伺いした。
「『PatentSQUARE』は、欧米のみならず、中国特許検索など、グローバルな特許調査に優れていますね。今後は、私たち知財担当者だけではなく、研究者や技術者が外国特許情報を必要とするシーンが更に増えていきます。『PatentSQUARE』は、国内特許と同じ操作で外国特許検索ができ、また評価情報などの付加情報をつけて管理できるのが大きなメリットです」
「PatentSQUARE」の画面例
吉原氏は話を続けた。
「かつては、特許情報は、“自社の技術の権利を獲得するため”に必要な情報でした。しかし現在は、“企業戦略を優位に進めるため”に必要な情報・手段といった意味合いが大きくなってきています。そのため、1つの技術に限定した調査ではなく、市場全体の技術トレンドなどマクロ的観点での調査が求められています。必然的に、特許検索サービスに対しても、広範囲での調査に適した機能が要求されます」
今や企業にとって、海外も含めた市場全体の動向の把握や、ライバル企業の技術分析に、特許検索システムは欠かせない武器である。
「PatentSQUARE」は、国内はもとより、外国コンテンツにおいても充実した検索機能に加え、マトリクスマップなどの分析機能やダウンロード項目の豊富さなど、マクロ的観点での調査に役立つ機能も多数取り揃えている。
「PatentSQUARE」の画面例
動画も活用した「PatentSQUARE」研修体制で社員の満足度も上々
続いて、「PatentSQUARE」の利用を促進するための、同社の取り組みについてお話をお伺いした。
「パナソニックさんには、導入時もほんとうにお世話になりましたね。各事業所で、『PatentSQUARE』の研修会を行いましたが、毎回、とても丁寧な説明をしていただきました。研修後のアンケートでも、社員からは説明がわかりやすかったと好評でした。現在は、ビデオ撮影させていただいた説明会の様子を、社員がいつでも視聴できるようにしており、新たに特許調査システムに触れる社員でも、『PatentSQUARE』を使いこなせるよう気を配っています」(奥田氏)
マニュアルや動画を用いて研修アイテムを充実させるなどの企業努力により、「PatentSQUARE」の利用を定着させ、さらなる特許戦略強化を図っている同社では、サービス運営について、以下のように考えている。
「Webブラウザーベースのサービスというのは、操作にわからないことがあっても、自分で解決しようとする傾向が高いですよね。『PatentSQUARE』についても、分からないことは、各社員が自分でマニュアルを確認したり、あるいは研修ビデオを見たりして、疑問点をクリアーにするというのが、私たちの基本ポリシーです。ただし、社員ができるだけ早く、簡単に疑問点を解決できるよう、マニュアルの整備など、十分なフォロー体制を心がけ、システム離れが進まないように私たち知財担当者も気を付けています」(奥田氏)
グローバル競争優位に向けた今後の展開
知財情報の活用を拡大し、グローバルビジネスに勢いをつける同社は、今後、「PatentSQUARE」に対して、どのような要望をお持ちなのか、お話をお伺いした。
「今後、海外拠点から『PatentSQUARE』を利用する上で気にしているのが、共有できる情報の範囲をどこまで広げるかという点ですね。例えば、国内の自社出願未公開データに関しては、海外からは閲覧できないようにするなどの配慮が必要です。各国の法律に則り、情報の取り扱いを考慮しないといけないので、国内と海外で一定の切り分けが必要かもしれません。また、英語インターフェースの対応など、海外拠点ユーザーのニーズも今後、反映していただければと考えています」(吉原氏)
サービスを普及し、利用を定着させるためには、やはり、各国の環境に適したシステムの改善やサービス対応が必要不可欠である。
「先日、『PatentSQUARE』のユーザー会に参加させていただきましたが、私たちユーザーのニーズをじっくり聞いていただく良い機会でした。色々な企業の方が『PatentSQUARE』を利用されているのだなと感じましたが、知財に関わる者同士、親睦も深まりますね」(奥田氏)
パナソニック ソリューションテクノロジーでは、今後も、「PatentSQUARE」の機能の充実ときめ細かいフォロー体制により同社のグローバル競争優位に貢献していきたい。
「PatentSQUARE」の画面例