導入事例 株式会社イードリーマー様

※ 旧製品「帳票OCR」の事例です。

年間280時間の作業を削減! 車両情報管理業務で車検証を活用
~コスト削減とセキュリティ保持に貢献する「帳票OCRファイルネーミング」~

  • 車両管理に関わる書類の電子化により、年間33,600枚の印刷コストを削減
  • 書類の管理や問い合わせ業務を年間280時間削減
  • 車検証や委任状など重要書類の電子化により、情報漏えいを防止

日本初の企業、イードリーマー

小暮 幸生 氏

株式会社イードリーマー
取締役統括本部長
小暮 幸生 氏

JR恵比寿駅から歩いて程なく、車両販売のオークションサイト「エコカネット オークション」を運営している株式会社イードリーマー(以下、イードリーマー)のオフィスが入居しているビルがある。

車両販売といえば、幹線道路沿いにのぼりを立てた駐車場に並ぶ自動車を思い浮かべる人も多いと思うが、イードリーマー社屋の周辺にそれらしき車両は見あたらない。

イードリーマーは損保会社が所有する全損車両を同社の車両回収代理店が預かり、自動車修理業者や自動車解体業者向けにオークションサイトで販売する日本初の企業である。オフィスの中ではひっきりなしに鳴る電話、忙しく動き回る若い社員など、職場は活気に満ち溢れている。

車両販売のオークションサイト運営現場で、ファイル名自動設定ソフト「帳票OCR ファイルネーミング」は、どのように使われているのだろうか。

まず、イードリーマーの業務内容について、取締役統括本部長 小暮 幸生氏に詳しくお話を伺った。

資源リサイクルを実現するオークションサイト

資源リサイクルを実現する仕組みはこうだ。

車両提供元である損保会社が、契約ユーザーへの保険金支払が確定するのと同時に、イードリーマーの車両回収代理店が該当車両を引き取り、欠陥部品の確認、査定、画像撮影などを行う。
査定後は査定データを基に欠損部品を除くすべての部位が、素材としてリサイクルされた場合のCO2削減量を自動計算し、損保会社にリアルタイムで報告する。
その後車両はイードリーマーが運営しているオークションサイト「エコカネット オークション」に販売車両として登録され、オークションサイトの会員に情報開示するのだ。

オークションサイトは犯罪行為などを未然に防ぐため会員制となっており、審査を通った適正企業のみが入札を行うことができる。
現在の会員登録数は約700社にもおよび、インターネットによるオークション上で入札が行われ、適正価格が形成されていく。

「全損車両と言うと商品価値はないように思えるかもしれませんが、素材としはてまだまだ商品価値があります。特に、さまざまな部品として使われているレアメタルの価値は非常に高いのです」
と小暮氏は語る。

徹底した業務のIT化

イードリーマーでは年間に扱う車両数はおよそ2万台に上る。全国約300社の車両回収代理店と連携しているが、オークションサイト運営に関わる業務はわずか16名程度のスタッフでこなしている。

それを可能にしているのは、業務のIT化による徹底した省力化だと言う。
単純作業や、成果に差が出ない仕事など、全てシステムに変換するという経営者の強い思いを徹底して浸透させているのだ。 人の熟練度による影響のないものは機械に任せる方が効率的、という明快な考えだ。

「帳票OCR ファイルネーミング」の活用

「当社では、車両を管理する手段として、車検証に書かれている『車台番号』を検索などに使うキーとしています。車両の売却後には所有者や車両番号は変わりますが、『車台番号』であれば常に変わらず車両を一意に特定できるからです。」

車両を管理するために、車台番号が書かれた車検証と委任状などの付随書類を揃えて複合機でPDFファイルを作り、その後ファイル名を『車台番号』に変更することが必要となる。

「1日あたり30件~40件もファイル名を変更しなければならないので、業務の効率化を図るために車検証を読み取ることができる、パナソニックさんの帳票OCRファイルネーミングを使っています。」

導入システム構成図

それでは、「帳票OCR ファイルネーミング」を知ったきっかけや、採用のポイントはどこにあったのだろうか。
グリーンメディアディビジョン事業部の阿部 陽一郎氏に、「帳票OCR ファイルネーミング」導入に至る経緯についてお話を伺った。

パナソニックのOCRとの出会い

阿部 陽一郎 氏

株式会社イードリーマー
グリーンメディアディビジョン事業部
阿部 陽一郎 氏

「PDFファイル名を自動的に『車台番号』へ変更する方法として、当初からOCRソフトウェアを検討していました。当社の業務にとって良いOCRソフトウェアがないかと、Webサイトなどで調査したところ、パナソニックさんの製品が候補になったのです。」

と、阿部氏は切り出した。
ただ、他社の製品ではなく、なぜパナソニックだったのか。

「まず車検証に対応できるOCRソフトウェアが少なかったのです。それに他社さんの製品に比べてパナソニックさんの製品は車検証の読み取り精度が高かったことと、高機能かつ低コストで導入できることがとても魅力でした。」

いくつかのOCRソフトウェア製品の中から「帳票OCR ファイルネーミング」を選んだ理由として、業務効率化の鍵となる認識精度が大きかったようだ。

では、どのくらいのコスト削減効果を生み出しただろうか。

OCRによるコスト削減への貢献度は

小暮氏のお話によると、コスト削減効果として以下の数値があげられる。

  • 印刷コスト
    1日あたり 120枚~140枚、1年に28,800枚~33,600枚の削減
  • 書類の保管・整理
    1日あたり 10分~20分、1年に40時間~80時間の削減
    (以前は、車両を管理するための書類一式をコピーしてバインダー保管していた)
  • 車両販売状況などの問い合わせ対応
    1件あたり 5分~10分、1年に20~40時間の削減
  • 車両管理システムとの併用によるFAXの自動化
    1件あたり1分~2分、1年に120~160時間の削減

経費削減のほかに、情報漏えい防止にもOCRが一役買っているようだ。

「当社では、社屋から書類を一切外へ出さないことを信条としています。ただ、業務を行う上で取引先へ車両情報などをFAX送信することがあります。 現在はOCRを使うことで、車両に関する情報がすべて車両管理システムに登録されていますので、車両管理システムから直接取引先にFAX送信する仕組みを 導入したことで誤送信などによる情報漏えい防止・業務効率化を実現しています。」

書類の原本は一定期間社屋で保管された後、委託している企業に引き渡され溶解処分されていると言う。重要な書類が外へ抜け出てしまうミスをゼロにする仕組みを作っているのだ。

今後の展望

最後に、今後のビジネス展開について小暮氏に展望を伺った。

「今後はますます、インターネットオークションによる車両販売は活発になってくると同社では予測しています。近い将来、日本でもインターネットによる個人による車両売買が行われる時代が来るのかもしれない、そんな動きにも期待しているのです」

この業界のリーダー的存在である同社だが、同社が構築したビジネスモデルに追随する形で新たに参入した企業もあるそうだ。
だが先駆者であるイードリーマーは、さらに先を進もうとしている。

イードリーマーは時流を先取りしたインターネット企業として、全損車両の部品をリサイクルした場合のCO2削減量データを無料で提供するなど、資源リサイクルやエコといった社会貢献を行っている。
パナソニック ソリューションテクノロジーでは、OCRソフトウェアの精度向上や機能の充実、きめ細かいフォロー体制により、同社の社会的貢献の一助となれるよう今後もご要望に応えていきたい。

【お客様プロフィール】株式会社イードリーマー様

株式会社イードリーマー様

所在地 : 東京都渋谷区恵比寿4-22-7
資本金 : 2千350万円(2014年3月現在)
設立 : 2006年1月
事業内容 : イードリーマーは時流を先取りしたインターネット企業として、全損車両の部品をリサイクルした場合のCO2削減量データを無料で提供するなど、資源リサイクルやエコといった社会貢献を行っています。

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