2024年6月25日、過敏性肺炎を引き起こす主要な原因カビ3種に対して、ナノイー(帯電微粒子水)を照射し、殺菌することを確認しました。
※ 大阪公立大学 名誉教授 向本雅郁先生との共同研究において
※ 試験は45Lの試験空間で実施され、実使⽤における製品の効果を検証したものではありません。
※ 本検証は過敏性肺炎の原因となるカビへの効果検証であり、過敏性肺炎に対する効果を保証するものではありません。
記者発表の様子
空気中のカビ胞子の見える化
お部屋の空気中に潜むカビ調査
INDEX
カビが放出した胞子を吸い込むことでアレルギー疾患を引き起こすことがあります。その代表例が過敏性肺炎で、発症すると咳や発熱など夏風邪とよく似た症状を引き起こします。ところが風邪薬が効かず、外出することで症状が改善する特徴があります。
ナノイー(帯電微粒子水)技術は、これまで家庭内の8大カビの殺菌効果について検証してきましたが、過敏性肺炎の主要な原因カビ3種への殺菌効果を検証しました。
一般家庭8軒のリビングの空気をエアーサンプラーで回収、過敏性肺炎の原因カビの存在を確認。次に、
①これらの原因カビ3種を45L空間に入れ、ナノイー(帯電微粒子水)を照射
②主要な原因カビを2種の電子顕微鏡(SEMとTEM)により、表面と断面を観察
ナノイー(帯電微粒子水)の照射によって、99%以上殺菌されることを確認。
また、電子顕微鏡による観察によって、カビの表面が破壊され、内容物が漏出し、中身が空洞化する様子も確認できました。
WORDS
過敏性肺炎:
肺炎の一種。カビ胞子吸入により発症。風邪と似た症状を起こすがアレルギー反応のため、カビ胞子吸入時のみ発症。
SEM(走査電子顕微鏡):
試料の表面を電子ビームでスキャンし、画像を生成する顕微鏡技術です。表面構造の観察に適しています。
TEM (透過電子顕微鏡):
電子ビームを試料に透過させて、画像を生成する顕微鏡技術です。内部構造の観察に適しています。
背景
住宅に潜む様々なカビの中には人体に悪影響を及ぼすものがあります。水虫やカンジダ感染症のように皮膚などへの感染症を引き起こすものの他に、カビが放出した胞子を吸い込むことでアレルギー疾患を引き起こすものがあります。
その代表例が過敏性肺炎で、咳や発熱など夏風邪とよく似た症状を引き起こしますが、アレルギー症状のため、カビ胞子を吸入しうる屋内環境にいる時のみ症状が現れ、体の免疫力とは関係なく発症し、風邪薬が効かず重篤化する場合があるため注意が必要です。
- 過敏性肺炎の発症時期
- 過敏性肺炎になりやすい人
- 一般家庭において病原カビの分布状況を調査したところ、調査対象の8軒中5軒から検出
- 過敏性肺炎の原因の7割以上を占めるカビ3種で検証
検証方法
【試験1】
病原カビを45L空間に入れ、ナノイー(帯電微粒子水)を照射
【試験2】
電子顕微鏡による観察
検証結果
【試験1】
主要カビ3種に対する99%以上の殺菌効果を確認
トリコスポロン
0.5時間で99.8%殺菌を確認
クロカビ
2時間で99.7%殺菌を確認
カンジダ
0.5時間で99.9%殺菌を確認
【試験2】
主要カビ(トリコスポロン)の細胞壁が損傷し、空洞化することを確認
ナノイー(帯電微粒子水)照射後、細胞壁が破壊しているトリコスポロンの出芽細胞の表面
ナノイー(帯電微粒子水)照射後、内容物が破損しているトリコスポロンの出芽細胞の断面
ナノイー(帯電微粒子水)照射後、細胞壁が破壊しているトリコスポロンの分節細胞の表面
ナノイー(帯電微粒子水)照射後、内容物が消失しているトリコスポロンの分節細胞の断面
カビの空洞化
まとめ
過敏性肺炎を引き起こす原因カビに対して、ナノイー(帯電微粒子水)技術の効果を確認
大阪公立大学 名誉教授 向本雅郁先生
ナノイー(帯電微粒子水)技術を用いて、過敏性肺炎の原因カビを殺菌し、カビの増殖が抑制できれば、過敏性肺炎の対応策の一手段として大きな期待が持てると考えられます。
※弊社から向本先⽣に依頼し、頂いたコメントを編集して掲載しています。
【プレスリリース】
夏に咳?カビが原因?病原カビ※1をナノイー(帯電微粒子水)技術で99%殺菌(2024年6⽉25⽇)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn240625-2